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短編1
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口裂け女

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学校が終わり、もう陽は傾きかけている。

家が近く、仲良し3人組のA君・B君・C君は、いつもの道を話しながら歩いて帰っていた。

すると夕焼けに照らされ、人通りの少なくなった道の向こうから1人の女性が歩いてくる。

「なぁ…。」

「うん…。」

3人の間に緊張がはしる。

一見するとその女性は髪の長い綺麗なお姉さん、という感じなのだが、真っ赤なロングコートを着て大きなマスクをしていた。

今の季節は真夏だ。そんな恰好をしているなんて、誰から見ても異常なのは明らかだった。

3人と女の距離が次第に近づいてくる。

なるべく目を合わせないようにしてすれ違おうとした…その時。

「私、キレイ?」

ビクッとして3人は女の方を見た。

女は立ち止まり、3人の方を向いていた。

絶対にヤバい!と思いつつ、いつでも逃げ出せる姿勢を取りながら、A君は答えた。

「は…はい、とてもキレイです…。」

すると女は

「ありがとう…。じゃあ…これでも…?」

と言って大きなマスクを取った。

「うわぁぁ―――っっ!!」

3人は悲鳴を上げて一目散に駆け出した。

マスクの下にあった女の口は、耳まで大きく裂けていたのだった。

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Fin

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