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中編4
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お友達

珍しく楓から電話がかかってきた

「パパ、今から家へ帰りたい、パパかじいちゃ、迎えに来てほしい」

楓たち3人娘は楓のお友達の家へお泊りに行っていた

「あれ・・お泊りじゃなかったっけ?」

「うん、お泊りの予定だったけれど・・・ちょっと・・あって・・・とにかく早く迎えに来てほしい」

私はオヤジに3人娘たちを迎えに行かせた

30分後に3人娘とオヤジが帰ってきた

3人とも何となく落ち着きがない

「楓、何かあった?」

「うん・・・ちょっと・・・あのね・・」

楓の話だと

お友達の家へ着いてお友達の部屋でおしゃべりやゲームなどをしていた

夕方になり辺りが暗くなるころにお友達の母親が夕ご飯の準備をしていた

ところが

お隣の家から大きな笑い声が聞こえてきた

お友達の母親とお友達は一瞬「えっ?」という顔になったらしい

楓がそれに気づいてお友達に聞いた

「どうしたの?びっくりした顔になって?」

「え・・・あの・・・今の笑い声聞こえた?」

「うん、聞こえたよ、お隣の家からね」

「あのね・・お隣・・・誰も住んでいないはずなんだよ」

「でも・・笑い声がしたよ、え?」

「住んでいないのに聞こえたからびっくりしちゃったんだよ」

「どういうこと?」

そのお隣の家族は2か月前に家族全員が行方不明になっていた

隣近所は旅行でも行ったんだろうということで誰も気にしていなかった

ところが1週間たち2週間たっても家族は帰ってこなかった

さすがに町内としてはおかしいと気付いてその家族の親戚の人に連絡をした

親戚の人が来て家に入り愕然とした

リビングには食べかけのごはんやおかずがそのままに残っていた

そう、旅行じゃなかった

突然消えた

すぐに警察に連絡をした

警官が来ていろいろと調べていった

事件性があるのかないのか

どうやら事件性は無いと判断されたらしい

家族の失踪ということで警察が行方を追った

だが手かがりは無し

行方が全然わからない

およそ1か月後からこの家の怪異が噂になった

夜中に部屋の明かりが点いたり消えたりしてるのを見たとか

その失踪した家の北側に住んでる人が玄関の開け閉めする音を聞いたとか

夜中にその家から人の話声がするとか

町内もそのうわさ話でもちきりになった

もう1度親戚の人に連絡をして来てもらい家の中を見てもらった

だが以前のままだと親戚の人は町内の人に話していた

それで、今回のお隣から笑い声がしたということで楓たちは急いで家へ帰ることになった

もう午後10時を過ぎていたので和尚様の約束通り勝手に外へ出られないから連絡をしてきたという訳だ

「そういうことか・・もしかして、家族の人たちが帰ってきたんじゃないの?」

「ううん、違うよ、お友達のお父さんがお隣の様子を見に行ったんだけどね「誰もいなかった」と言ってたよ

そのお父さんが「こりゃおかしい、楓ちゃんたちはもう帰ったほうがいいかもね」と言われたから連絡をしたんだよ」

「オヤジ、どうなってるんだ?」

「おいおい、俺に聞くなよ、俺もわからん」

午前1時過ぎ

玄関のチャイムが鳴った

私はびっくりして飛び上がった

寝つきが悪かったので書斎室で動画を見ていた

一体誰だ、こんな夜中に

またチャイムが鳴った

リビングへ行き玄関にある防犯用カメラで様子を見た

誰もいない

しばらくしてまたチャイムが鳴った

急いで様子を見た

小さな女の子らしい感じの姿が見えた

私は少し警戒をしながら玄関へ向かった

「すいません、楓ちゃんのお友達の〇〇です、あのぉ・・・」と聞こえてきた

私は玄関のドアノブに手を掛けた

「おい!せがれ、開けるな」と背後からオヤジの声がした

「オヤジ、今、玄関に楓のお友達が来てるんだよ」

「おい、こんな夜中だぞ、おかしいだろ」

「は・・・確かに」

「しばらく様子を見よう」

リビングへ戻り防犯用カメラで玄関の様子を見た

誰もいない

「帰ったのかな・・・」

それからは何もなかった

朝になり楓に夜中のことを話をした

楓のびっくりした顔

「え・・〇〇ちゃんが来たの?夜中に?」

「そう・・・」

「おかしいな・・・そんな子、私、知らないよ、パパ」

「え?でもたしかに楓のお友達だと言ってたよ」

「そうなの?でも知らないよ」

どうなってるんだ?

夕食時に楓が話しかけてきた

「パパ、例のお泊りの家の子の〇〇ちゃんにパパの出来事を話したらすごくびっくりしてたよ

その名前はお隣の家の子の名前と同じだって、○○ちゃんの家も夜中に玄関を叩く音がしてお父さんが玄関を開けて外を見たけど誰もいなかったと話してたよ」

「え・・・」

「うん、お隣の家の子が来たのかな?」

「家族全員がいなくなったんだろ、あり得ないよ」

「だよね、一体誰なんだろうね」

私の背中にゾクッと寒気が走った

Concrete
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