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3人娘とオヤジと化け物屋敷

長編15
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3人娘とオヤジと化け物屋敷

ふと・・・思ったことがある

私の子供たち

生まれたときに最初にオヤジが抱っこした時に楓だけは泣かなかった

むしろオヤジの顔を見て満面な笑顔だったのが印象的だった

他の子は全員がオヤジの顔を見て大泣きをした

私もその一人

私の場合は体のけいれん発作を起こして大変なことになったらしい

おふくろが激怒したらしい

それとF子もオヤジの顔を見て満面な笑顔だったらしい

2人とも霊感が強くオヤジの血を確実にひいている

F子の場合は憑依されやすい体質

楓の場合は逆に霊を退散・除霊をする体質

そのことをオヤジに聞いた

「あ・・・まぁ・・お前の場合は体全体が痙攣してよ、医者が慌てて来たよ、呼吸困難になってな、あいつが顔を真っ赤化にして激怒したな、初めての子供だからな、3日間くらい意識が無かったな・・・あははははは・・・俺の顔ってそんなに怖いのかな・・・楓ちゃんやF子ちゃんは笑顔だったのによ」

「オヤジよ、確かに顔は怖いぞ、知らない人が見たらみんなびっくりして逃げてるだろ、でも不思議と他の人の赤ちゃんは泣かなかったよな・・・泣いたのは私と楓以外の子供たちだけ、何でだろうな」

「お、確かにな、ほかの人の赤ちゃんを抱っこさせてもらってよ、大泣きするのかと思ったら別に泣かなかったな、

むしろ、俺の顔を手で触ってたし、一番ひどかったのはせがれだったな」

「痙攣で3日間で・・・」

「医者もびっくりしてたな」

「パパ、大丈夫だったの?」

「3日間意識が無くなっててよ、俺もよ、自分の顔で我が子が意識を無くすとは思わなかったよ、3日目にパチッと目が開いてまた俺の顔を見たけどその時は泣かなかったな」

「パパって・・・凡人で何も取り柄が無いもんね、鈍感だし、ママにいたずらされても怒らなかったでしょ、なんか生きてるだけという感じ」

「え・・・おいおい」

あはははははは

私、以外は大笑いされた

「じいちゃ・・・この家、はじめから化物屋敷だったの?」

「いや・・違うと思うけど・・・気づくのが遅かったな・・・あいつと2人でなんとか家のローンの頭金を貯めてよ、この家を建てたんだよ、今思えばよ、なんか安かったな・・・」

「この家っていくらだったんだよ?」

「1000万円だよ」

「え・・・ちょいまち、土地付きで1000万円か?」

「そう、そう、1000万円、当時はよ、2人とも忙しくてそんな考えをしてる暇は無かったんだよ

あいつも一応は会社勤めしてたんだぜ、今はよ、偉そうにしててよ」

「おい、オヤジ・・・聞こえるぞ、総帥だぞ」

「ちっ、何が総帥か、毎日こき使いやがってよ、昼の休憩時にF子ちゃんの所へ行ってよ、おしゃべりしてただけなのによ、「あんた、昼の休憩は無いんだよ、なにおさぼりしてるんだよ」と嫌味を言われてよ」

「オヤジ、仕事してないからだぞ」

「ちゃんとしてるぞ、みんなが評価してないだけだ」

「でもよ、1000万円って安いとは思わなかったのか?」

「当時はな、不動産屋がすごく勧めて来てよ「お客さん、この区画、断然お得なんですよ、周りは3000万円なんですがここはなんと!1000万円なんですよ、いまのうちなんですよ」と言うからあいつが「安いわね」と言ってサインしたんだよ、俺はよ、「なんか怪しいな」とは思ってた、案の定、化け物の通り道だった!」

「オヤジ、おふくろに責任を被せてるけどおふくろから聞いた話ではオヤジの方が乗り気だったと聞いたぞ」

「うるせーー、まさかな霊道の土地だったとは・・・失敗したな」

「はじめから怪異現象があったんか?」

「いや・・気づかなかっただけかもしれんが・・・気づいたのはF子ちゃんが産まれた後かな、F子ちゃんが霊媒体質だと気付いた時だな、それから気になりだしたんだよ、病弱で声も小さかったからな、普通の虚弱体質だと思ってた」

「今のF子ねえちゃんから想像できないよ、じいちゃ、いつも元気だしSおじさんをいじめてるし、でもなんでSおじさんいつもF子ねえちゃんのそばにいるんだろ」

「あははははは、確かにな、Sちゃんかわいそうにいつも文句言われてるよな」

「まるでおやじとおふくろだよ」

「うるせーー、しばくぞ、せがれ」

「じいちゃ・・・2階の廊下の霊道ってなんとかならないの?」

「無理だな、くそ坊主にも相談したんだが「無理と言われたよ」だからくそ坊主からお守りと薬を貰ってるだろ、お守りの力で霊道から霊たちが家に入らないように結界をしてるんだよ」

「そうなんだ、あそこで寝てる時に足音がよく聞こえたし話声も聞こえてた、何でだろうと思ってたよ」

「そっか」

「オヤジよ、この化物屋敷、そろそろ建て替えをしないとあちこち傷んでる」

「わかってるけどよ、金が無い、財閥でよ、金が無いってどういうことだと思うぞ、普通はよ、すぐに建て替えするだろ、あいつにも言ったんだよな、そしたら「ま・・仕方ないじゃないの、お金が無いし、あんたがきちんと働けばいいじゃないの?」と言われたよ」

「正論だな、さすが元学級委員長だ、理屈が合ってる」

「ちっ・・・」

「ばあちゃんって元学級委員長なんだ、すごい!」

「昔はね、なかなか学級委員長は誰でもなれるわけじゃなかったんだよ、パパの時代は適当だったけどね」

「そうなんだ、でも・・・不思議なのはどうしてばあちゃんはじいちゃんといるの?」

「プっ!確かにな、不釣り合いだもんな、不良とお嬢様、あり得ん組み合わせだよ」

「じいちゃんは不良だったんだ、悪いことばかりしてたのパパ?」

「そうそう喧嘩ばかりしてた、勉強もせずにね」

「喧嘩ばかり、じいちゃん!ダメでしょ」

「え・・ごめん」

「じいちゃん、お仕事もおさぼりしてるんでしょ」

「いや、はい・・・」

楓本人から言われて素直になってる

そんなに怖いのか

「パパ、たまに仏間の寝てる方から何か聞こえるんだぞ」と葵が珍しく聞いてきた

「あ・・・掛け軸がしてるほうだな、たしかにな」

「葵の言う通り、寝てる時に聞こえてくるよ、目が覚めるし葵やカナちゃんも目が覚める、寝れなくなる時があるんだよ、どうにかしてほしい」

「仏間の裏は洗濯物置場だからな、洗濯物が干してあるしそれがいつの間にか落ちてるんだよな、物が落ちる音や足音や話声も聞こえてくるよな」

「怪異現象はどうにかなるもんじゃないからな、仕方ないよ」

「うん・・・」

「パパ、じいちゃ、トイレへ行く時が一番怖いんだぞ」

「カナ・・・も・・・怖い」

「そう思ってパパが100均でLEDライト買ってきたんだよ、明るくなったろ」

「うん!今はじいちゃんかばあちゃんと一緒にトイレへ行くから怖くは無いんだぞ」

「カナも」

確かにあの辺り風呂場や物置場やトイレは暗かった

和尚様の指示通りに夜中に子供たちがトイレへ行くときは一緒に行ってほしいと頼まれた

結界が張ってはいるがトイレの外から邪霊が入り込むと大変なことになる

トイレの外は庭なのだが万が一のためにと和尚様は言っていた

物置場が一番怪異現象が起きてる

ラップ音や足音や話声

誰もいないはずなのに聞こえてくる

カナちゃんママが洗濯してるからその時間帯にはいないからね

広さは8畳ほど

そこに家族全員の洗濯物が置いてある

昔は単に物置部屋だったけれど家族が増えて洗濯置き場になった

たしかに不気味

カナちゃんママも「気味が悪い」と言ってたからな

およそ1時間ほど洗濯物の整理をしてる

まだ時間帯も遅くないし家族の声がするから頑張られると言ってた

たまに3人娘たちも手伝ってる

洗濯置き場は国道側だから車の音や人の声など騒がしいからね

午前0時以降になると静かになって不気味さが増す

家族のほとんどが寝てるからね

起きてるのは私かオヤジかS君か

私やオヤジは寝つきが悪い

トイレも確かに不気味だな

普通のトイレなんだけどな

空気がたまに重くなるというか何かの気配がするときがある

鈍感な私でさえそう感じるときがある

この前は用を出してる時に庭に誰かが歩いてる足音がしたんで窓から覗いたんだが誰もいなかった

午前3時ごろだったかな

ふと尿意を感じてトイレへ行った

こんな時間帯に家族がいるわけがない

家族は夜の10時以降は外には出るなと和尚様の言う通りにしてるから

でもリアルに足音だけは聞こえた

風呂場の隣に勝手口があって今は施錠してる

昔に怪異現象が起きて使わないようになった

そこには物を置いてある

風が吹くとガタガタと音がして気持ちが悪い

夜中にお風呂入っててその音が聞こえてくるとゾッとする

私はほぼ深夜にお風呂に入るから

子供たちから順に入るからどうしても最後になる

背後に誰かがいるんじゃないかと気配を感じるときがある

当時の踊り場は暗かったから余計にそう感じた

踊り場に人の気配を感じるときもある

洗濯場から物が落ちる音がするし足音も聞いたこともある

今はLEDライトで踊り場や洗濯場の通路は明るくなって怖さは少し減った

オヤジはお風呂入ってて勝手口からトントンと誰かがノックしてる音を聞いたらしい

こんな夜中に外に誰かがいるはずはないとすぐにわかってしばらく無視をしたと聞いた

「うるせーー」と怒鳴ったらトントントントンと連続で強く叩かれて「ぎゃははは」と笑い声が聞こえたんだそうだ

オヤジもさすがに怖かったと話してくれた

仏間は今はオヤジとおふくろ・3人娘の寝るところになっている

昔の仏間はオヤジの書斎室的な場所だった

小学生の頃は仏間でF子と一緒にラジオを聞いていた

寄席や落語がオヤジは一番好きだから

夜は晩酌でラジオをよく聞いていたな

酒癖が悪いと思ってる人が多いと思うが酔っても暴れたりはしなかった

今もそう

楽しく飲むのがオヤジのスタイル

S君と飲んでると一番楽しいと言っていた

私以外に一番信用できるからなと笑っていた

S君に対しては本音で語り合ってる

私はお付き合い程度の酒しか飲まない

それがオヤジの一番の不満らしい

付き合いが悪いとよく言われる

今は3人娘たちがオヤジの話を聞いてる

ラジオを聴きながら3人娘たちに話を聞いてもらうそれが幸せだと言っていた

そういえば祖父もラジオが好きだったな

遊びに行くとラジオの前でよく聞いていた

小さなF子を膝の上に乗せて機嫌が良かった

ふと3人娘とオヤジがラジオを聞いてる姿が祖父と重なって見える時がある

カナちゃんを膝の上に乗せてる姿、まるでF子を膝の上に乗せていた祖父だ

その祖父が亡くなる前に「Fよ、息子を頼むぞ」と息を引き取った

なんか違うぞ

頼まれてもなと当時は思った

相当祖父はオヤジのことが心配だったんだと思う

オヤジが高校生の時はよく警察に補導されていた

警察に呼ばれるたびに祖父はオヤジを迎えに行っていた

説教をしても一向に直らない

唯一治療したのがおふくろだ

おふくろがオヤジをビンタしたのだ

学校中にうわさが広がったらしい

教室は一瞬で凍り付いたらしい

学校一の悪を学級委員長がビンタした

オヤジがおふくろに手を出すんじゃないかとみんなが思ったらしい

オヤジは唖然としたまま帰っていった

その日を境に喧嘩も少なくなったし補導も減った

そのうわさ話を祖父が聞いた

それで警察へ呼ばれなくなったのかと

はじめ祖父はオヤジと同じような気の強い女子なのかと思ったらしい

オヤジがおふくろを連れてオヤジの家族に紹介された時に祖父は驚いたらしい

「まさかな・・・こんなかわいらしいお嬢様が出来底の悪い息子のほおをビンタしたのか・・・

度胸があるお嬢さんだと思った」と祖父は私に言ってくれた

祖父がおふくろの素性を知ってさらに驚いたらしい

「こりゃ・・・あの財閥のお嬢様かい・・結婚は無理だなと思ったがまさか結婚するとはな、びっくりだよ」と話してくれた

なにせおふくろの両親が喜んでたからな

後日におふくろの両親が挨拶に来た

「まさかね・・財閥の人が挨拶に来るとは思わなかったよ・・・「娘のことをよろしくお願いします」と頭を下げてくれた、目が点になったよ・・・イメージと全然違ってたよ・・もっと威張っているのかと思ってた」

おふくろに対して結構な数の結婚の申し出があったらしい

どれもこれも下心がありすぎてすべて断ったとおふくろの祖母から聞いた

高校生の時のおふくろはたしかにかわいかった

その当時の髪型でオヤジと一緒に写ってる写真を見ると申し出が多いなとは思った

楓が「もしパパが当時の高校生でばあちゃんを見たらどう思うの?」と聞かれた

返事に困った

「かわいいなと思うしもしかしたら「付き合ってください」と言うかも」と言ってしまった

それを夕食時に楓が

「ばあちゃ!!!パパがね、当時の高校生でばあちゃを見たらどう思う」と聞いたらね」とこう答えていたよ」

おい、恥ずかしい

「あら・・ま・・うれしいけどタイプじゃやないからね、速攻で断っているよ」と一刀両断にされた

家族が笑いの渦になった

「やめて!!ばあちゃん、おもしろすぎる」

「おっちーー!!!ギャハハハハハ!!!パパ、不細工だからね、無理なんだぞ」

「アニキ、ちょっと・・・無理だよ、S子姉さん、笑いすぎ、アニキ、身分が違い過ぎるよ、無理無理!!」

「F、おやっさんがいるんだぞ、半殺しにあうぞ、この前のときのおやっさんのあの顔思い出せ、殺されるぞ」

「でも・・・オヤジと付き合うなら・・・俺の方がマシかも」と余計なことを言ってしまった

「ア、ア、アニキ!!!パパと比較しちゃダメ、パパはイケメン、アニキは不細工、無理無理!!

ママが正解、アニキ全然わかってないよ」

「パパ、じいちゃんと比較するの無理があるよ、じいちゃんだからこそなんだよ」

「パパ、もしF子姉さんならどうする?」と匠が質問してきた

「F子?・・・」

「そう他人としてF子姉ちゃんを見たらどうする?」

「あまぁ・・・おふくろと同じで「付き合ってください」と言うかも」

「パパ、無理だってわかってる?F子姉さんは美人だよ、当時の女子高生のF子姉さんの写真を見たことあるけどすごく大人びて見えたよ、F子姉さんがOKすると思う?」

「え・・・その・・・無理かな・・・」

「でしょ、F子姉ちゃんはどう?」

「え・・・急に振らないでよ、匠君・・・恥ずかしいじゃない・・・アニキ、当時だということ?・・・え・・」

「ほら・・パパ、F子姉ちゃん困ってるよ」

「もしかしたら・・・OKするかも」

団らんの間が一瞬で氷ついた

みんな耳を疑った

「F子姉ちゃん・・・正気?相手はパパだよ、どうかしてるよ」

「F子姉ちゃん・・・匠兄ちゃんの言う通りだよ、パパはタイプじゃないでしょ?」

「え・・・そのぉ・・・顔じゃなくて・・・心が優しくて・・・アニキ・・・」

「F子姉ちゃん、しっかりして、他人としてだよ、全然知らない人だという設定だよ」

「うん、わかってる・・・でも・・・話しかけられたらOKしちゃうかも」

一同唖然となった

「Sおじさん、F子姉ちゃん大丈夫なの?」

「え・・いや・・・びっくり・・・でもまぁ・・・わかるような気はする」

「うわっ!Sおじさんまでも・・・おかしいって!相手はパパだよ、不細工だよ、話しかけられたら普通はばあちゃんと同じで断るでしょ!」

「そこまで言わなくても・・・匠君・・・そりゃびっくりするかも・・・」

家族は唖然としていた

話がだいぶそれてしまった

仏間の隣が私の書斎室

狭いけれども一番安堵できる場所

ここで会社の書類を見たりPCを操作している

今は古文書(一族などの文書)をPCに取り込んでいる

古文書はよくわからないので専門の先生に解読をお願いしている

たまにここで寝ている

ここも廊下の方から足音やラップ音が聞こえる

国道沿いだからここも外からの騒音が聞こえる

その隣が私とS子の寝室になる

ほぼS子が一人で寝ている

おふくろがオヤジを連れて屋敷へ行ったときにすぐに祖母はオヤジの気持ちを汲み取ったらしい

「財産は狙ってはいるが娘を大事にするのは間違いない」と祖母は笑いながら話してくれた

祖父も同じことを言っていた

「あいつは間違いなく財産狙いだな、俺と同じだ、間違いなく娘を大事にする」とあの恐ろしい顔が笑顔になってた

「そうなのかな」と今も疑問に思う

確かに祖父は祖母を大事にしてたけどな

「あの人は私じゃなく財産が欲しくて私に近づいてきたのはわかっているのよね、それを私の両親に話したら「そんなことは承知してる、でもな、あいつの目は腐っじゃいない、お前を大事にする奴だ、いいかい最後まで付いていけ」と言われたのよね」と祖母はまた笑いながら話してくれた

まぁ・・オヤジは一度もおふくろに手を出したことは無い

口喧嘩はよくしてたけど

「オヤジ、今も財閥の財産を狙ってるだろ」とからかったら

「うるせーー、狙っちゃいないぜ、なんでわかった?」とマジな顔をしていた

狙ってるんかい

そのことをおふくろに話したら

「そんなことは承知だよ、あいつに財産はやらないよ、母から「油断はしないでね」と冗談で言われてたからね、仕事はしないし財産を上げたら一日で破産するよ、財産分与はちゃんと弁護士を通じて作ってあるからね、心配しなくていいからね」

と冗談交じりで話してくれた

オヤジが仕事をしないわけではない

おふくろの運転手兼ボディガードだからね

(たまに私が運転手をすることがあるけど)

商談が終わるとおふくろはオヤジに本音を話してるから

夫婦だから本音が言える

私も運転手の時におふくろの本音を聞かされる

的をついていてすごいなと思う

それ以外はやることがないから

会社の中を徘徊してる

それが「仕事をしていない」と評価されてる

おふくろから我が家の財産の貯蓄を見せてもらった

財閥だなと思った

「いいかい、F、この財産は財閥のもの、その一部が我が家の貯蓄だからね、大事に使うんだよ、絶対にあいつには言わないようにね」と念を押された

小声で「財産はあんたとF子とあいつ以外の家族のものだからね」

「ホテルの間」

この部屋は本当に不思議だ

心が休まる

外からの音が聞こえない

聞こえないというのは大げさだが静かなのだ

防音設計はしていない

この部屋だけ国道の騒々しい音が小さく聞こえる

他の部屋は国道の騒音が良く聞こえる

2階もそう

今はカナちゃんママの寝室になっているが

元は家族の寝室だった

家族4人が寝ていた

この「ホテルの間」での怪異現象は無い

不思議とね

只、庭の方で足音や人の声を聞いたことはある

カナちゃんママも「月に1回か2回位、足音や人の声など聞こえるときがある」と言っていた

この地区は我が家以外の家はすべて解体して更地になった

だから恐らく田んぼがある南側の方で誰かが歩いてて話す声が聞こえるのかもしれない

確かめてはいないけどね

月が昇ると障子に明かりが差して幻想的な空間になる

だから「ホテルの間」と名付けた

本当にホテル・旅館にいる感じなのだ

ホテルの間にも掛け軸か飾ってある

静かだから良く寝れる

月見もできるしいい環境

「ホテルの間」の隣が荷物置き場になってる

服とか靴とか

箪笥もここに置いてる

子供の時は私とF子のお昼寝をする場所だった

ここでおふくろとよく遊んでいた

ここも物が落ちたような音やラップ音が聞こえる

ここは普段は誰も近づないから

その北側がリビング

家族団らんの場所

大抵はここで家族は過ごしてる

その奥に台所がある

ラップ音や足音など周囲から良く聞こえる

北側に位置しているから国道の車の音や人の声など騒音が聞こえる

午前0時頃になると静かになる

私はここで時間を潰したりTVを見ている

ソファで寝るときもある

家族全員が7集まると狭い狭い

オヤジやS君はソファの所で食事をする

一応カウンターも2席ある

ここが一番怪異現象が多いかな

足音や人の声、ラップ音など

廊下で誰かが歩いてる足音なども聞こえる

建ててから相当な年数だ

リフォームをしたいけれどね

家族2人から4人、総勢12人の大家族になった

いつも騒がしい

2階は子供たちの部屋

北側に匠や仁の部屋になっている

南側が3人娘の部屋

その廊下が霊道になっている

だから足音や人の声など聞こえる

今は3人娘たちは仏間で寝ている

もしもの為に仏間で寝るようになった

オヤジやおふくろがいるから安心

結界も張ってあり大抵の霊は入ってこられない

夜の10時以降のトイレはおやじかおふくろと一緒に行ってもらうことになった

すぐに隣がトイレなのだが和尚様に忠告された

まぁ、午前0時ごろまでは誰かが起きているので一人で行ってもらってはいる

午前0時以降にオヤジかおふくろか私と一緒にトイレへ

私が一番気になるのはやはり洗濯物置場

ここはなにか空気が重い

今は常時明かりを点けてる

小さい豆球をね

まぁ我が家の化け物屋敷ぶりはこんなところかな

最近の我が家はちょっとだが雰囲気が変わったというか空気が変わった気がしてる

そのあたりの話は後日に

Concrete
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