短編2
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のろす

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私はその日、バイト先の先輩と深夜ドライブを楽しんでいました。

3時間ほど車を走らせた後、街灯もまばらの田んぼの路肩に車を停車させ、車内女子会(トーク祭りですね。)で盛り上がっていました。

時刻は夜中の3時を回った頃です。

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私が座っていた助手席側の窓が急に叩かれたのです。

バンバンバンバンバン!!!!!

こんな時間に、そして急な事もあって、私はとても驚きました。

先輩はあまりの衝撃に絶叫したレベルです。

外には老婆が立っており、生気を感じさせない無表情で窓を何度も叩きます。

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「何…?」

『めっちゃ怖いんやけど…』

そんなやり取りをしている間にも、割れんばかりの力で窓を叩く老婆。

口元に目をやると、何かを言っているようで…

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「ちょっと、後部座席の窓開けて下さい。」

『は!?』

「窓です。ちょっとで良いから。」

『いや、アホなん!?死ねよ!!』

「良いですから。早く。」

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先輩は私の気迫に根負けしたのか、後部座席の窓をほんの少し開けてくれました。

≪のろす。のろす。のろすのろすのろすのろすのろすのろすのろすのろすのろすのろすのろすのろす。≫

私は先輩に急いでここから逃げるように指示。

アクセル全開で、その場を離れました。

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皆様、【のろす】の意味をご存知でしょうか?

のろす、は【呪い殺す】という意味だそうです。

私が見た限り、あの老婆は間違いなく”人間”でした。

ですが、あれ以来…先輩の車には様々な”よくない霊”が集まってくるようになったのです。

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あの老婆は、何故私たちをターゲットにしたのか。

【のろす】

と言った、あの老婆の真意は謎のままですが、

それから半年あまりして、先輩は交通事故で還らぬ人になってしまいました。

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見通しのよい道での単独事故だったそうです。

皆様も、あの老婆に会うことの無いよう、お気を付け下さい。

Concrete
コメント怖い
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修行者サブアカ様

コメントありがとうございます。
その一言が嬉しさを助長します!!!
「怖い」の一言が執筆者にとっての褒め言葉です(ノД`)・゜・。

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テラコワス
Σ(゚д゚lll)

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>mami様
コメントありがとうございます。

窓叩きは流石の私もとても驚きました。
普段そこまであからさまに驚いたりしないのですが…
不意打ちに鳴る爆音。いやー…衝撃でした…

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>ゆかちん様
コメントありがとうございます。

私の体験する話は、最終のオチで「?」となるものばかりで、読者様の中にもモヤモヤが残ってしまうのだろうな。と思いつつ投稿しております。

何でしょうね…そういうものに目を付けられやすいのでしょうか…

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>ともすけ様
コメントありがとうございます。

私の拙いお話に対してそんな賞賛のコメントを頂きまして…
恐縮ですが、タイピングしながらニヤニヤしてます。
ええ、変態です。

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>ろっこめ様
コメントありがとうございます。

もうホントにいつもお褒めのコメントを頂けて…
ありがたいし幸せです…
天にも昇ってしまいそうな勢いです…

怪しいところは、霊感が無い人でも第六感的に「危険」と感知できるそうなので、そう感じた場所には絶対に近付かない事をお勧めします…

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>月舟様
コメントありがとうございます。

恐らく、月舟様は思っている箇所で合っていると思います。
本当に怖い体験でした…

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>ふたば様
コメントありがとうございます。
本当に何だか怖いっていうか一周回って腹立つ思い出でしたね。
まず思い浮かんだのは。
「うるせえよ!!ババア!!」
って心の中では思っていました。

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雪さん、こんにちは!
この話の一部が創作で良かったと今読み終えて思いました!
老婆の存在、言動、行動からみてかなりの怨念を感じました。その地に居座る地縛霊のようですね。
怖い、何よりもこのように短編でこれだけの怖さを引き出せる雪さんが羨ましいです(*゜Q゜*)
文才力抜群の雪さんのお話は好きです(^^)
ありがとうございました!

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