1.
考えても考えても怖いアイディアが浮かばないので、いっそ血を見たら書けるかなとか思い、カッターを手にして家を出る。
2.
駅のホームで、目の前の中年男の背中を押してやったら、そいつが実は幽霊で、”ばーか!”という嘲笑を聞きながら、俺は転落していった。
3.
TVの中でお天気姉さんが、明日は貴方の命日になるでしょうと連呼しているので、ひどい放送事故だと思ったら、消音モードにしていたことに気づく。
4.
“祟り場”と書こうとして、かな文字を入力して変換キーを押したら、”此処”になった。
5.
仲の良い友達と楽しくお喋りして、それじゃまたね、と別れた後、会話の中のたった一言がどうしても許せなく思えて、だんだん憎悪が膨らんでくる。
6.
骨揚げを無事終えた後、火葬場の人に、”それでは来週も宜しくお願い致します”と丁重にご挨拶された。
7.
深夜友人から電話があり、今から会えるかと言うので、暇だからいいよと言って切電した直後、彼が先週事故死したことを思い出す。
8.
深夜ピンポンが鳴ったので玄関に出ると、私が殺した女が、”遅くにすみません、私を殺した方はどなたでしょうか“と聞いてきたので、このまま迷っているのも気の毒に思い、”隣の○○さんですよ”と教えてあげた。
9.
出て来た饂飩がどんぶりの中でぴくぴく蠢いていたが、空腹だったので、ずるずる食べてしまった。
10.
やっとの思いで書き上げて投稿ボタンを押した瞬間、”お憑かれさん”の文字が浮かんだ。
作者珍味
それじゃ、小生もこんな噺で。(すいません、峰岸ものも鋭意書いてますので、今しばらく…。)
ルール
・題名は入らない
・文章に句点は一つ
・詩ではなく物語である
・物語の中でも怪談に近い
・以上を踏まえた、一続きの文章である
『夢十夜(一行怪談)』(Glue様)
http://kowabana.jp/stories/28296
『一行怪談』(綿貫 一様)
http://kowabana.jp/stories/28315
『壱行怪談』(よもつひらさか様)
http://kowabana.jp/stories/28316
『壱行怪談』(ロビンⓂ様)
http://kowabana.jp/stories/28320
『一行怪談』(修行者サブアカ様)
http://kowabana.jp/stories/28322
『一恐詩(一行怪談)』(DODO Asakura様)
http://kowabana.jp/stories/28324
『ろっこめ 超短編集』(ろっこめ様)
http://kowabana.jp/stories/28327
『弌行怪談』(黒人形様)
http://kowabana.jp/stories/28336
『壱行怪談(勝手にやっちゃいました…)』(clolo様)
http://kowabana.jp/stories/28337
『ろっこめ 超短編集【零】』(ろっこめ様)
http://kowabana.jp/stories/28338
『一行怪談 2』(綿貫 一様)
http://kowabana.jp/stories/28339