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これは、私が高校生の頃に体験した話です。
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当時の私は、変に親への反抗意識もあったため、深夜部屋から抜け出して友人と明け方まで遊び回るのが日課になっていました。その日もいつものように家を抜け出し、友人の先輩が運転する車で目的地へ。
私が通っていた学校は家から少し遠かったのですが、その学校の近くにあった公園が私たちの溜まり場でした。到着すると、いつも話したり馬鹿をやるベンチまで足を運び、その日は適当に談笑をしていました。
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2時間ほど経った頃。友人が私をトイレに誘います。
『トイレ行こう?』
「行ってらっしゃい。」
『嫌や!怖い!』
「じゃあ漏らせ。」
なんてやり取りをしつつ、私と友人はトイレへ向かいました。
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友人のトイレを待っていた私の耳に一瞬、赤ちゃんの泣き声が聞こえました。
≪___?気のせいか。≫
そう思った矢先、次は確実に先程より大きな声で泣く赤ちゃんの声が聞こえます。
≪……。水子さんかな。今日は、帰った方が良さそう。≫
トイレを済ませ、出て来た友人とみんなの待つ場所へ向かおうとしたその瞬間、頭を割るような痛みが私を襲い、思わずその場にしゃがみこんでしまいました。
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__ズキン、ズキン
__おぎゃあ、おぎゃあ
__ズキン、ズキン、ズキン
__おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ
声がどんどん大きくなって、近付いてくるのが分かりました。
__んぎゃあああああああああああああああああ!!!
耳元で聞こえたその声で、私は気を失いました。
次に目を覚ましたのは友人の運転する車の中です。
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心配そうに声をかける友人たちには、貧血だ。と告げました。
≪…霊障なんて言っても混乱させてしまう。≫
自宅へついたのは午前4時頃。屋根を伝って、自室へ入った私は自分の家へ帰れたことの安堵から、ホッとため息を付きました。
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バンッッッッ!!!!!!
勢い良く開かれた扉に大きく身体を跳ねさせると、そこには母が立っていました。
≪うわ、ヤバ。怒られる。深夜外出、殺される。≫
私は謝罪の言葉を脳内でグルグル巡らせていたのですが、母から出たのは意外な一言でした。
『アンタ、何背負ってんの。どこで拾って来たん。』
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母がいうには、私は背中に赤ちゃんを背負っていたそうです。
寝ていた母は、急に脳内に響いた赤ちゃんの泣き声に飛び起き、私の部屋へ来たんだとか。除霊…とまではいいませんが、母はそういう力も多少あるので、塩をぶっかけられ、背中を叩かれ、その赤ちゃんの霊はどこかへ去って行ったそうです。
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後日、学校では全校集会が開かれました。
在学中の私たちの先輩の一人が逮捕されたためです。
容疑は「死体遺棄」
その先輩は、学校のトイレで乳児を出産。しかし、親や学校にバレるのを恐れ、学校の近くにある、あの公園へ死体を捨てたとのことでした。
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私が聞いたのは、その赤ちゃんの泣き声だったのか。
そもそも遺棄されたのはあの一件があった後だったのに。
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母があの日言った一言。
『悪霊に近かったで。危ない。』
…あの赤ちゃんの行く末は、私には知る由もありません。
作者雪-2
皆さまいつもありがとうございます。
私の話も11話目となります。
今回は実際に霊障で被害に遭った私の体験談をお話しさせて頂きます。
地元の方がいらっしゃれば、分かるような、有名な話…なのですが、この掲示板にいないことを祈るばかりです。
↓2月投稿作品リンク↓
http://kowabana.jp/stories/28071
http://kowabana.jp/stories/28077
↓処女作品↓
http://kowabana.jp/stories/27969
もし宜しければ、閲覧していって下さい。
※駄文失礼しました。