長編15
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悪ふざけ

梅雨も終わり朝から陽ざしの眩しい朝

子供たちは夏休みに入り宿題や遊びやクラブや塾へと何かと忙しくしていた

7月もあと1日で終わる

匠や仁と楓

3人は同じ塾へ行かせてる

楓を一人塾から帰らせるにはちょっと不安があるから

家から塾までは自転車で30分ほどだが

塾の終わりが夜の9時過ぎになってしまう

楓だけ一人だとやはり心配だ

3人兄妹で一緒に帰ってきてもらったほうがこっちは安心だから

どうしても例の墓場の横を通ることになるし・・・

遠回りをすると1時間近くかかってしまう

さて・・・例のオヤジの思い付きで夜中のリビングの様子をカメラで撮ることになった

最近・・・ラップ音が多く聞こえるようになってきたから

まぁ・・・木造の古い住宅だからあちこち傷んでるから

軋みの音も交じってると思う

オヤジが商店街のあるお店のオヤジから赤外線付きのカメラを譲ってもらったらしい

防犯用のカメラで新しいのを買ったので古いほうをもらってきたわけ

オヤジの思い付きにはいつも呆れる

「さて・・と・・・この位置からだと全体がよく見える・・・このカメラな、赤外線で明かりがなくてもちゃんと映るんだぜ!!

すげぇーーよな」

「あのさ・・・あんまし・・・意味ないと思うよ、オヤジ・・・

何も映らないよ」

「いや!!わからんぞ、この化け物屋敷・・・絶対に何か映るぞ・・・」

「オヤジ・・・自分の家を化け物屋敷って言うなよ・・・おふくろが聞いたら説教だよ・・・」

「ふん!!本当のことだよ、いろいろと怪異的なこと、起きてるだろ・・・」

「まぁ・・・そうだけど・・・」

オヤジの言ってることは事実だけど・・・

もうそろそろ子供たちが帰って来る頃だけど・・・遅いな・・・

私は心配になり匠に電話をした

楓がまだ終わっていないらしい

私は匠に楓が終わるまで待っててほしいと頼んだ

夜の10時過ぎに子供たちが帰ってきた

そのあとにS君やF子も来た

リビングは一気に騒がしくなった

子供たちはさっさとお風呂へ入り匠と仁はさっさと自分たちの部屋へ行ってしまった

娘たちとおふくろたちがまだおしゃべりをしていた

カナちゃんママは挨拶をして客間へ行った

「もうそろそろ、子供たちよ、寝る時間だよ、おふくろ、子供たちを仏間へ連れて行ってくれ」

「あら・・もうこんな時間になってるわね・・・さぁ・・・寝ようかね」

3人娘とおふくろは仏間へ行った

S子とF子も寝室へ行った

オヤジと私とS君だけになった

なんか一気に静かになった

「おやっさん!!あれ・・・カメラじゃないすっか?」

「おう、!!このカメラでよ、この部屋を映すんだよ」

「え・・・なんでこの部屋を映すんだ?」

「最近な、ラップ音がひどくてな・・・原因は何かということが知りたくてカメラをもらってきた訳よ・・・この化け物屋敷なら必ず得体の知れんものが映るよ」

「え・・・化け物屋敷って・・・まぁ・・・当たってるけど・・・けど・・・映るかな・・・」

「まぁ・・・昼間は防犯用で夜は得体の知れないものを映す用で・・何か映るさ・・」

たしかに・・・葵とカナちゃんが2時間ほど2人きりになってしまう

子供たちだけで留守番は良くない

義理母には早めに家に来てもらうようには頼んでいるけどあちらにも都合があるし・・・

リビングにもカメラがあるほうがいい

「映ってもあんまし・・・気持ちのいいもんじゃないぞ、オヤジ!!」

「Fの言う通りだよ、おやっさん・・・」

「お前ら!!ビビってるんだろ!!!あはははは!!!」

不思議なことに設置した翌日の夜からラップ音が一切しなくなってしまった

昼間でもしなくなった

やはり・・・軋む音だと思っていたけど・・・ラップ音だったのかな

8月に入り・・・ラップ音はしない

8月13日から8月16日まで恒例の和尚様のお寺にお泊り

もちろん家族全員だ

家には誰一人いないはず・・・・だ

和尚様のお寺から帰りオヤジはカメラの録画を確かめていた

夜中の1時過ぎ・・・

S君と私とオヤジで13日から16日分の録画を見ていた

13日から14日は別に何もなかった

15日の録画を見ていた時に・・・私たちは・・・目を疑った

「さてと・・・15日はどうかな?・・・・え・・・えええ・・・」とオヤジのびっくりした声

「どうした、オヤジ?」

「おい・・・赤外線って・・・きちんと人は映るよな?・・・」

「まぁ・・きちんとは・・・でもどんなものかは見えるはず」

「そっか・・・でもよ・・・なんでこれ・・・黒いんだ?」

「え!?・・・・ええええ・・・なんだこりゃ・・・全身真っ黒・・・」

「え・・・ゲッ・・・なんだこりゃ・・・真っ黒け・・・ありえん・・・

赤外線だぞ・・・」

「カメラ壊れてるのかよ!!あのオヤジめ!壊れたものをくれやがった」

「ちょいまち・・・オヤジ・・・この黒い影・・・これ・・・女性のように見える」

「ちょこちょこと良く動くよな・・・」

「え・・・」

私は映像を見てこの黒い影の動き方・・・まさか・・・F子の癖のある動き方とそっくり

というか・・・この黒い影みたいなもの・・・F子とよく似てる・・・

「オヤジ・・・この動き方・・・」

「F子ちゃん・・・マジかよ・・・」オヤジの驚いた顔

もちろんF子もきちんとお寺へ行ってる

もちろんはっきりとF子の顔が映っているわけではない

特徴がよく似ているのだ

「なんかなぁ・・・なんだろうな、この動きは・・・

何かを探してるような感じ・・・」

「たしかに・・・あちこちちょろちょろとよく動く・・・」

「よぉし!!この黒い物体を捕まえてやるぜ」

「え!オヤジ、やめとけよ・・・」

「おやっさん・・・やめたほうがいいっす・・・嫌な予感がする」

「おまえら!ビビリは男じゃない!!」

「あぁあ・・・・」

「オヤジ・・・」

「おい!!!黒い影!おまえなんかちっとも怖かねーぜ!!

なんか文句あるなら現象を起こしてみろよ」

「おい!!マジでオヤジやめろよ」

「おやっさん!無茶しすぎ」

ガッシャーーン

突然、奥の台所から何かが落ちた音がした

3人はびっくりして固まった

「おい・・・せがれ・・・見てこい」

「え・・・なんで・・・オヤジが見にいけよ」

「嫌だね!おまえらが「やれ」と言ったんだからさ、俺は寝る」

オヤジはさっさと仏間へ行ってしまった

無責任すぎる

「俺が見てくるよ、F」

「あかん・・・皿が全部割れてるぞ・・・どうするんだよ・・」

私は慌てて奥へ行った

唖然とした・・・皿が全部床に落ちて割れていた

とりあえず、割れた皿はそのままにおふくろを呼びに仏間へ行った

おふくろは娘3人とおしゃべりをしていた

おふくろに事の経緯を話をした

「あいつ!!!無責任すぎる!!後片付けは私とS子ちゃんとF子の3人でするから絶対に割れた皿は触っちゃいけないよ

娘3人もだよ、危ないからね

ところで・・・あいつは?」

「え・・・あれ・・・オヤジ「もう寝る」と言ってここへ来たと思ってたけどいないね・・・どこへ行った?」

「じいちゃは来てないよ、パパ」

おふくろに寝室と客間を見てもらった

オヤジはいなかった

私はリビングへ行きS君に仏間に居るように頼んだ

オヤジめ、どこへ行った

家から出て国道沿いを見た

いた!!

例の自動販売機の前で立っていた

「オヤジ!!何してるんだ?」

「え!・・・俺、なんでここにいるんだ?」

「おい・・・大丈夫か・・・」

「いや・・リビングから出てから記憶が無い・・・呼ばれて気づいたぞ・・・」

おいおい・・・

「オヤジ、帰るぞ」

「おう」

「オヤジ・・・靴は?」

「え?・・あ・・・裸足だ・・・」

オヤジは裸足のまま自販機の前へ来たようだ

玄関の前に来てドアを開けた

「パパ、お帰り」と3人娘が待っていた

「じいちゃ!!黙って外へ行っちゃダメなんだぞ」と葵の一声

「あははは・・葵ちゃんには敵わないな」と緊張感のない顔

本当にオヤジは孫たちに甘い

特に3人娘たちがそばに来るだけでニコニコしてる

「へ?・・・あれ・・俺の靴がないぞ・・・どこやった?」

オヤジの靴が無くなっていた

「知らないよ、じいちゃ・・・」

もしかして・・・きちんと靴を履いて・・自販機へ行ったんじゃ・・・

「オヤジ・・俺が自販機の辺りを探してくるよ」

「パパ!私たちもついていくよ」と3人娘がついてきた

「もうこんな夜中だよ、パパ一人で行くよ」

「パパ!自販機は目の前だから・・・ついていく」

まぁ・・たしかに自販機は100メートル先にあるから大丈夫だろう

夜中も1時過ぎ・・・国道沿いは車も人もいなかった

ほんの1時間前は車や人が往来しててやかましかったのに

自販機に着いた

自販機のまわりをよく見まわしたが靴はない

もうすこし範囲を広げて探してみたけれど靴はなかった

私は不意に空き家になってる廃墟を見た

まさか・・・・ね・・・

「パパ・・・まさか・・あの家・・」と楓は空き家を指さした

「パパもそう思った・・・もうこんな時間だし家に帰ろう」

家に帰りオヤジに「靴は無かった」と話をした

「そっか・・・おかしいな・・・・」とオヤジは玄関を見ていた

「オヤジ・・・もしかしたら・・あの空き家に・・・ふと思ったんだけど・・

昼間にあの空き家の外から庭を見回して靴を探そうかと思う」

「そうだな・・・空き家といっても他人の敷地だからな・・・

昼頃に探すか・・・」

昼過ぎ

空き家の外から庭など見回したが死角が多く見つからなかった

それよりも複数の人間が空き家あたりをうろついていて不審者そのものだ

案の定・・・バイクに乗って警察官が来た

「何をしてるんですか?」と警察官から声をかけられた

オヤジが振り返った時に警察官はびっくりした顔になった

「おやっさん!!おやっさんでしたか・・・今さっき不審者の通報があって来たんですよ・・おやっさんたちでしたか・・・それで何をしてるんです?」

オヤジは仔細に警察官に説明をした

「あぁぁ・・・靴でしたか・・・なるほど・・・確かに他人の敷地ですからね・・・

困りましたね・・この空き家の持ち主を探しますね・・・後で連絡します」と言って帰っていった

「ダメだな・・・外からじゃ無理だぞ、家へ帰ろう」

夕方になり玄関で声が聞こえた

「こんにちわ!駐在の者です、おやっさんいますか?」

葵が走って行き玄関を開けた

「こんにちわ、おじいちゃんはいる?」

「じいちゃ・・・いる・・んだぞ・・・」と言った途端に泣き出した

「じいちゃが捕まるんだぞ」と何度も言い大泣きしていた

「いやいや・・・捕まえにきたんじゃないんだけどな・・・」と困った顔をしていた

私が慌てて玄関へ行き葵を抱き上げた

「葵、泣くんじゃないよ、オヤジを捕まえに来たんじゃないからね・・」

「うん・・・パパ・・じいちゃが悪さしたのかと思ったんだぞ」

「おいおい・・・」

「オヤジは今・・・商店街のほうへ行ってるんですよ・・もうそろそろ帰ってくると思います」

「そうですか・・・」

およそ30分ほどしてオヤジが帰ってきた

「おう!帰ってきたぞ」

「じいちゃ!お帰り!リビングにおまわりさんがいるんだぞ」

「え・・おまわり・・俺、悪さはしてないぞ」

おい!おいおい・・・本人までも

「おやっさん・・・例の空き家の件で・・・」

「お!わかったか?」

「いや・・・ちょっと・・・不思議というか・・・あの家の持ち主がわからないんです

不動産屋やあの家に関係しているところを聞いたんですが「誰も知らない」と言うんですよ

一体誰があの家を管理しているのがさっぱりです」

「おいおい・・・あの家の一族は?」

「あぁ・・・どうも・・・あの家に住んでた人物と登記上の名前が違うんです

不動産屋もあの家の管理していた不動産屋がずいぶん前に倒産していてあの家の土地などの資料が無いんだそうです

つまりあの家に関しては誰も管理していないということなんです

もちろんあの家の人物の親族関係も調べましたがどうも・・・名前が偽名だと分かったんです

登記上の人物も偽名でした

私一人ではここまでが限界です

これ以上になると職権乱用でえらいことになります」

「うううう・・・怪しい家がさらに怪しくなったということか・・・

そういえばよ・・・あの家にたしか老婆が住んでいたんだよな・・・最近見なくなったぞ・・おい!!まさか・・・」

「おやっさん・・・ちょっと・・・一応、上司にこの一件を話しますね」

「おーーい!!〇〇(おやじの名前)、おるか!!」

私が玄関へ行った

元課長だった

「お!F君、あいついるか?」

「おやじならいますよ」

「あいつから頼まれたことを報告しに来たよ」

「はい・・?さっ、上がってください」

「夜分にすまない」

「え?なんで君がいるんだ?」

駐在の警官は元課長を見て驚いていた

「〇〇(元課長の名前)さんこそ・・・」

「お前ら、知り合いか?」とおやじはびっくりした顔になっていた

「あぁ・・・〇〇(駐在の警官の名前)は小さい時からよく知ってるよ

こいつの親も警官だった・・・俺の大先輩だ

俺がこいつと同じ年齢のころ、こいつのおやじさんは刑事一課長だった

俺も駐在所勤務でよく課長に怒鳴られていたよ、そしていろいろと教えてくれたよ、

今あるのは〇〇(駐在の警官)のおやじさんがいたからだ

とにかく厳しかった」

「おじき・・・オヤジからいろいろと聞かされていたよ、「骨のある奴が入ってきた、あいつなら絶対に俺を超えるぞ、30年後が楽しみだ」と口癖のように言っていました」

「あぁ・・・そっか・・・俺、超えたかな・・・おやっさんの目の前では内心びびってた・・そこまで・・・ありがたい」

「おじき・・・完全にうちのおやじを超えましたよ、署内でも厳しい人物として有名だったんですから・・まぁわたしはおじきの課長時代を知らないんで・・・先輩たちからよく聞かされています・・みんな、おじきの前では「緊張してとても怖かった」と・・・」

「いや・・・厳しかったのかな・・おやっさんよりは優しいと思うけどな・・・

まぁ・・〇〇(駐在所の警官)が警察官になったと聞いた時には、俺、泣いたよ・・・

カエルの子はカエル

お前、お前のおやじや俺を必ず超えるぞ」

「そっか?・・ひょろひょろとしてなんか頼りないんだけどな」

「オヤジ!!言いすぎだろ!」

「そっかぁ・・正直に言ったまでよ」

「あははは、みんなから

そう言われていますから・・・わたし、これでも空手は段を取ってます・・」

「え!!マジかい・・・そう見えんぞ」

「おい〇〇(おやじの名前)、本当だよ、こいつのおやじさんも空手や柔道など段を取ってる・・俺も若さゆえに調子こいて課長とやりやったことがあった

一瞬で放り出されて背中から落ちたよ・・二度とさからっちゃいけないことを学んだよ

みんな・・・びっくりした顔になった

元課長も段を取ってるし暴力団対策課の課長も経験している

体もごつい

「へぇ・・・そんなに強かったのか・・・一度手合わせしてみたかったな

この俺なら一瞬じゃなく瞬殺でKOさせてやったかもしれん、あはははは」

とオヤジの悪い癖が出た

「おい!!〇〇(オヤジの名前)、こいつの目を見りゃわかるぜ」と元課長は駐在所の警官の目を見てみろという仕草をした

「そっかい!どれどれ・・・・」

しばらくオヤジは駐在所の警官の目を見ていた

「なるほど・・・カエルの子はカエルか・・・俺のせがれは俺に似なかったのにな・・

将来が楽しみだな、○○(元課長の名前)」

「そうだろ、お前と同じ目をしてる・・お前は不良だったがこいつは真面目一筋だよ

でも目の奥に輝いてるものはお前と一緒だ、いや、おやっさんの目と同じなんだよ

俺な・・・こいつの出産した後に抱っこさせてもらったんだよ、そして目を見たんだよ、おもわず落としそうになったよ、「この子、先輩と同じ目をしてますね・・・」と言ったら「そうだろ・・同じ目をしてるだろ・・もしこいつが警官になったら確実に俺を超えるぞ、いや、お前も超えるとおもうぞ」と言われて「たしかに・・・」と」

駐在所の警官はスマホを取り出して

「これがうちのおやじです・・・ちょうど課長時代の時だと思います」

と私やオヤジに見せた

「お・・・こりゃ・・・いい目をしてる・・こりゃ強いはずだ・・」

「だろ!お前、いまさっきのホラ、取り消せよ」

「ホラ・・・やはりよ、やりあわなけきゃわからんだろ」と負けん気の強いオヤジの声

「いや、負けるだろ、この俺が負けたんだからよ、お前は無理だな」

「ちっ!・・・」

葵や楓やカナちゃんは話を聞いていて顔が強張っていた

「じいちゃ・・・より強い人がいるんだ・・・おじさん、写真を見せて」と楓は駐在所の警官に頼んだ

「うん、いいよ」と写真を楓に見せた

「あれ・・・優しい感じの人じゃない、どこが怖いの?」と聞いてきた

「楓、顔じゃないよ、目を見なきゃね」と私は楓に顔じゃなく目を見るようにと目のあたりを指さした

「目・・んん・・全然わかんないよ」

「そうかい・・・じゃあ、楓、オヤジの目を見て」

「うん、じいちゃ、目を見せて・・・わかんない」

「楓、オヤジは怖いかい?」

「ううん全然、じいちゃは優しいよ」

「うん、今度は元課長の目を見て」

「うん・・・わかんない」

「次は駐在所のおまわりさんの目を見て」

「うん・・・わかんない」

「3人とも、オヤジはともかく他の2人は優しい顔をしてるよね、とても強そうには見えないよね?」

「うん、じいちゃは怖い顔をしてるよ、でも優しいよ」

「だろ・・でも3人ともケンカは強いんだよ、オヤジや元課長は相手の目を見てすぐに相手の素性がわかるんだよ」

「すごい!!目でわかるんだ」

「ところで・・・例のあの空き家な・・・誰が管理しているのがわからん」

「そっか・・・駐在所も同じこと言ってるし・・・一度警察官立ち合いであの家の中に入りたい、ダメか?」

「わたし、上司に言ってみますね、もしものこともあるし・・・」

「もしものこと?なんのことだ?」

「いや・・・あのな、あの家に老婆が住んでるんだが最近見かけん・・もしかしたら・・・という感じがしてならん」

「あ・・・そういうことか・・・俺も署長にかけあってみるよ・・・もしかしたら…大変なことになるしな」

後日・・・駐在の警察官立ち合いで空き家の中へ入った

その・・もしかしたら・・・・的中した

椅子にもたれかけた老婆が死んでいた

それも首にタオルが巻き付いていた

一見タオルで絞殺されたのかと思っていた

大事(おおごと)になった

オヤジの靴探しがとんでもない方向へと流れだした

「おやっさん・・・殺人の容疑がかかっています、私と一緒に署へ行きましょう」と

突然、駐在所の警官がオヤジを逮捕した

一瞬何が起こったのか理解できなかった

オヤジの傍にいた3人娘たちも同様で何か起こったのかびっくりしていた

「じいちゃ!!やはり捕まえに来たんだ」と葵の大きな声

私は身元受取人として同行した

タオルと玄関の内側のドアノブからオヤジの指紋が見つかった

不思議なことにこの家に住んでいた老婆の指紋が取れなかった

しばらくしてから老婆は3日前に老衰で死んだことが分かった

オヤジの容疑は晴れた

しかし・・・なんでオヤジの指紋がついたタオルが老婆の首に巻き付いていたのか

なんで内側のドアノブだけオヤジの指紋が付いていたのか

なぜ老婆の指紋が家から出なかったのか

そして、最大の疑問

この家の窓など鍵があるところはきちんと施錠されていた

もちろん玄関のドアもだ

一体どうやって中から外へ出れたのか

「なんで・・・俺の指紋がついたタオルが首に巻き付いていたんだ・・・

この家に入ったことないぞ・・・あのタオルは見たことがない記憶にない

3日前のあの時間帯は商店街にいた・・・おかしいな」

確かにおかしい

考えられるのは例の自販機にいた時だ

私が見つけるまでおよそ30分ほどはあったはず

その間に・・・・しかし・・・どうやって部屋へ入った?

カギは閉まったまま

さらに警察の調べで何とオヤジの靴は天井裏から見つかった

後日、オヤジは靴の件で警察に呼び出された

私も同行した

「おやっさん・・・例の靴、見つかったんだけど、これですか?」

私はその靴を見て「うそだろ」と思わず言ってしまった

新品の靴が・・・ボロボロになっていた

まるで履き続けてボロボロになった感じ

「え・・おい!これ、俺の靴じゃねぇよ、俺の靴は新品だよ

なんでこんなボロボロなんだよ

どうして天井裏にあったんだよ・・・おかしいだろ!」とオヤジは吐き捨てるように言った

「でも・・・おやっさんの言ってた靴の特徴とよく似てるし・・・」と駐在の警官は首を傾げた

おかしすぎる

どうも腑に落ちない

結果的に死因は老衰となり捜査は打ち切られた

腑に落ちないことばかりだ

まずオヤジの記憶が曖昧なこと

まずここからおかしい

オヤジは靴を履いて外へ出たのは間違いない

けれど私が見つけた時には靴は履いていなかった

およそ30分間・・・何が起きていたのか

今でもわからない

ミステリーの一つだ

Concrete
コメント怖い
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@よしふる!
この世の中、虚構と現実が交じり合ってると思います
特にこの日本は色々な情報が飛び交い嘘か真かその判断が難しい
このシリーズは肩に力を入れずに軽く読んで頂ければと思っています
ほんの5分、10分でも隙間時間に読んでもらえればいいのかなと思っています
他の方のようにおどろおどろしい怖い話は私の文章力では書けれません
ですから少しだけ怖さを体験していただければ私としてはうれしいです
今回の話は少しだけミステリー的な感じで皆さんの頭の中でどう解決していくかという目的で書きました
この世の中、絶対に密室的な事故や事件はありません
必ず、何か見落としています
それを皆さん一人一人が考えてもらいそれぞれの「答え」を出してもらえればそれが答えなのです
1+1=2という答えが必ず一つだという数学の世界ではありません
1+1=田でも答えとして出てくるのです
このシリーズは皆さんとともに「考える」「なぜだろう?」「どうなってるの?」という感じで「答え」を出してもらえればいいのかなと思っています

文章力が乏しいのでなかなか理解できない箇所があるとおもいます
それもまた一興として読んで頂ければなと思っています

たくさんコメントして頂けるととてもうれしいです

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