百物語【第二十五話〜第二十九話】

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百物語【第二十五話〜第二十九話】

おでん屋様のお客様のお話で寒気が…。

…皆さん、お話がお上手だからか…まだまだ序盤だというのに何やらこの世のものではないもの達の気配が集まりつつあるのを感じます…。

視える人間の私が、果たしてこの空気の中…続けてもよいのかとは思いますが、お話させていただきたいと思います…。

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第二十五話

『ハンディカム』

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マサやんは初めてハンディカムを買った時、なぜか自分の友人達を集めて心霊スポットへ撮影に行こうと思い付き、早速実行したそうです。

心霊スポットは公園に隣接した墓地で、公園入り口の駐車場で車を降りて公園を抜けて墓地へと向かうんです。

買ったばかりのハンディカムを手に、前を歩く友人達を撮影しながらウキウキだったそうですよ。

「いいねー、ナイトモードも付いてて撮るの楽しいわー!みんな緑色に見える!ハハッ!」

「男前に撮れよー、マサ!」

「ハハハ、初めから男前じゃねぇと男前には撮れねぇだろ。なっ!」

マサやんは自分の隣を歩く一人の肩をポンッと叩いて、違和感を感じたらしいです。

「あれ?俺ら何人で来た?6人だよな?」

「はぁ?何言ってんだよ、5人だろ、お前入れて」

確かにカメラには友人達4人しか写っていません。

「え。…だって俺の隣にもいるじゃん」

それからカメラを自分の隣に向けると、そこには顔全体が斜めに歪んだ男がいて、腰から下は消えていました。

それは前を歩いていた友人達にも視えたらしく、彼らは悲鳴を上げ猛ダッシュで引き返したそうです…。

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第二十六話

『音羽の滝』

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恋のパワースポットでもある音羽の滝がある清水寺は、心霊スポットでも有名なのは知っている方も多いでしょう。

以前、修学旅行の実体験怖話をお話しさていただきましたが、同じクラスの男子も恐怖体験を音羽の滝でしたそうです。

班長のノリさんが【音羽の滝に美人の幽霊が出るらしい】と、どこからか噂話を持ってきて、修学旅行2日目の班行動の時の一番最後に清水寺を回る予定に設定しました。

彼らはホテルに帰る時間のギリッギリまで音羽の滝の傍で、女の幽霊を待っていたんです。

太陽は西の空に沈みかけ、彼らの頭上に夜の帳が降りてきた頃、女は現れました。

薄い桜色の着物を纏った後ろ姿は【見返り美人】を思わせる風貌で、彼らは大いに期待したらしいです。

…まぁ、美人とあれば、そりゃそうですよね。

でも、女が振り返った瞬間、彼らは顔面を蒼白に。

女の顔は無残にも潰れ、口があったであろう場所からは止めどない血が滴り落ち、手足はあらぬ方向へひしゃげていて、おぼつかぬ足取りでザッ…ザッ…と彼らの方へ歩いてきたとか。

声にならぬ叫びを上げてノリさん達はその場から逃げ出したそうですよ…。

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第二十七話

『電話ボックスの生首』

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幽霊が出るらしいと噂になっている電話ボックスを、拓也とその友人達は夜中に見に行ったそうです。

その電話ボックスは火葬場へ続く坂道の途中にありました。

夜は街灯の無い坂道の途中にある電話ボックスだけが煌々と明るく、かえって不気味だったようです。

「ちょっと行ってくるわ」

車の中に友人達を残し、拓也は電話ボックスへと近付き、中の様子を確かめてから恐る恐る入ったとのこと。

すると、いきなり公衆電話が鳴りました。

拓也は驚いた弾みで、受話器を取ってしまったそうです。

「もしもし…?」

「・・・・・・・・・・・」

返事はなく、受話器を戻したとたん、ボックス内の電灯が点滅を始めました。

ビビりまくって戸惑っていると、パッと明かりが消えて真っ暗になったんだとか。

それから、またパッと電灯が点いた時、目の前の公衆電話の上に、首の切断面から公衆電話全体に血が滴り流れ落ちる女の生首が乗っていたの見て、拓也は腰を抜かしながらも友人達と逃げ帰ったとのことです。

後日、その公衆電話近くの林から女のバラバラ遺体の頭部が見付かったことが判り、この話を拓也から聞いた私も驚きました…。

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第二十八話

『ゲームセンター』

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小学生の頃、近所の商店街の外れにある小さなゲームセンターで遊んでいた時がありました。

【ゲームセンター】とは言っても、正しくは【ゲーム喫茶】で、テーブルがゲーム台なだけです。

ゲームOnlyでの来店もOKで、私と同じように通ってる子供もいましたよ。

当時、私は【魔界村】というゲームがやりたくて、一時期、足繁く通っていたものです。

そこのゲームセンターは昼間はある程度、陽射しが入るからか、店内に明かりは点いていませんでした。

そして、私がやり込んでいた【魔界村】の席から右斜め前方のかなり前の方の席には、いつも同じお兄さんが座っていたんです。

窓際にあるその席は西日で逆光になるので、私のいる席からは影になって顔は見えません。

でも、お兄さんが座る席は、これまた私がハマっていた【ゼビウス】というシューティングゲームの台でした。

毎日のように来て、そこに座っているだろうお兄さんに「明日は、そこの席を譲ってください」と言いに近付いたとき、寒気を覚えました。

《あれ…、このお兄さん…生きている人じゃない…》

すでに霊感が目覚めていた私は、そう直感したんです。

店の奥にあるカウンターには店主であろう中年のおじさんがいて、私は「あそこにいつも座ってた人っている?」と尋ねたら、「あー、中学生の男の子がいつも来てたよ。この裏に住んでる子だったけどね、3カ月くらい前に交通事故で亡くなったそうだよ」という答えが。

ふと視線を感じて例の席を見やると、影でしかないお兄さんの幽霊がニタリと笑うのが視え、その薄暗闇に浮かび上がるような白い歯にゾッとしました…。

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第二十九話

『スキマ』

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智美の家には祖母が以前、友人から形見分けしてもらった桐箪笥があるそうです。

普通に買えばン十万はする代物なんだとか。

ある日、智美が祖母から「桐箪笥の中から帯紐を取ってきてちょうだい」と頼まれたので、祖母の部屋へと帯紐を取りに行きました。

すると、どう見ても箪笥の後ろにある僅かな隙間から血の気のない白い手が生えているのを見たというんです。

あまりにも奇怪な出来事を目の前にして智美が固まっていると、その白い手はスッと箪笥と壁の隙間に引っ込んだそうで…。

箪笥の裏にはコンセントがあるため、それで僅かな隙間が開いているのですが、智美が恐る恐る箪笥と壁の隙間を覗き込むと、その僅かな隙間の暗闇にギロリと血走った明らかに人の眼と思われるものが智美を見つめ、あまりの恐怖に智美は失神しました。

その桐箪笥は、祖母が亡くなると同時に手放したそうですよ…。

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ゼロさんお久しぶりです。
電話ボックスは何とも言えないこわさがありますね。
私の以前住んでた場所にも曰く付きの電話ボックスがあったのを思い出しました。。

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