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これは、«自殺の名所»という先日した話の中に登場したマンションに備え付けられていた公園での体験です。この体験内容が、皆様にどのような印象を与えるのか…。そんな事を考えながら、投稿させて頂こうかと思います。
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その公園は3階建ての公園で、1階部分はグラウンド風。2階部分はベンチが一つあるデートスポット風。3階部分は遊具などがある作りになっているちょっと贅沢な公園でした。
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その公園は、マンションの住人は勿論、外部からも遊びに来る子供たちが多く、結構人気の公園でした。当時、小学生だった私は友人たちと、だけでなく一人公園遊びもよくしていました。
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その公園の3階部分は、大きい道路と隣接していたのですが、その道路のわきには草木が生い茂る空き地があり、人なんて住めるような状態ではない古びた民家が一軒建っていました。
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ある日のこと、いつも遊んでいるその公園のブランコにお婆さんが一人座っていました。少し変だなと思い公園を引き返そうとしたのですが、お婆さんの声に足を止めることになるのでした。
『お嬢ちゃん。遊びに来たんだろ?遊んでおいき。ほら、ブランコに乗りなさい。楽しいよ。一緒に乗ろう。遊ぼう。一緒に、遊ぼう。』
そういってニコニコと笑みを浮かべるお婆さんに、先程の不信感は失せてしまい、その日はそのお婆さんと日が暮れるまで遊びました。
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「また明日も遊ぼうね!」
『遊ぼうねぇ。』
そう云って、あの空き家だと思っていた民家に帰っていくお婆さん。
≪あそこに住んでるんだ__≫
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それから、そのお婆さんとは何度か公園で会い、その度に遊んでいたのですが、2ヵ月ほど経った頃から全く会わなくなってしまったのです。
引っ越しちゃったのかな?
古い家だったし…
まさか死んじゃったのかな?
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なんて考えていたのですが、それからまた2ヵ月ほど経ったある日のこと。
その日は両親が仕事でおらず、私は家で一人留守番をしていました。
夜も8時を回った頃____。
インターホンが鳴ります。
『お嬢ちゃん。』
あのお婆さんの声です。
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その時私は、とても言い表せない怖さを感じました。
『お嬢ちゃん。一緒に遊ぼう。ずっと、遊んでなかったろう?だから、遊ぼう。ブランコが好きか?滑り台が好きか?砂場が好きか?ねえ、お嬢ちゃん。お嬢ちゃんお嬢ちゃんお嬢ちゃんお嬢ちゃんお嬢ちゃん。』
インターホンが何度も押されます。扉も叩かれます。
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私は自分の部屋に飛び込み、布団を被って息を殺していました。
≪どっかいけ。どっかいけ。どっかいけ。≫
そう心の中で念じていた矢先、急に静けさが当たりに広がりました。
≪………≫
そっと布団から顔を出します。聞こえるのは掛け時計の秒針の音のみ。
私は、安堵のため息を付きました。
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「良かった…。」
『お嬢ちゃん、遊ぼう。』
耳元で聞こえたその声に振り返ると、笑みを浮かべたお婆さんが視界に飛び込みました。
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両親に揺り起こされ、目を覚ますと私は自分の布団で眠っていたようでした。
≪…夢?≫
そう思って起き上がった時、私は、現実だったと思い知らされました。
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土です。
私の服に付着していた土。布団にもザラザラとたくさんの土が落ちていました。
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その後、お婆さんを見かけることは引っ越しするまでの6年間、一度もありませんでした。
あの民家も取り壊されずに残ったまま。
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あのお婆さんは誰なのでしょうか。
あの民家は何なのでしょうか。
人間なのか、幽霊なのか、それも分かりません。
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両親が帰宅した時、家の鍵は開きっぱなしだったそうです。
私の閉め忘れだったのでしょうか。
インターホン越しに聞こえたお婆さんの声。
インターホンの通話ボタンを押してもいないのに聞こえたあの声。
『お嬢ちゃん。遊ぼう。』
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本当に、私と遊びたかっただけなのでしょうか。
あのまま、遊びに行ってしまってたら、私はどうなっていたのか___。
作者雪-2
13話目のお話です。
寒さが厳しいこの季節に、最高の寒気を…
なんて言ってはみたものの、なかなか怖い話を書くのは難しいですね。
経験した私は怖かったのですが、それを上手く伝えるのが難しい…
文章力が欲しい、今日この頃です。
作品冒頭に書いた作品は下記リンクよりご覧頂けます。
«自殺の名所»
http://kowabana.jp/stories/28004
↓2月投稿作品リンク↓
【赤ちゃん】
http://kowabana.jp/stories/28114
【雨音】
http://kowabana.jp/stories/28125
↓現在2月マンスリーランキング2位感謝↓
【死ぬよ____。】
http://kowabana.jp/stories/28077
↓初投稿、処女作品リンク↓
【やってしまった】
http://kowabana.jp/stories/27969
暇つぶし程度に閲覧して頂ければ、とても嬉しいなと思います。
※駄文失礼しました。