皆さまもご存知の通り、私は現役の看護師です。
そんな私には、もうじき亡くなる方が分かる時があります。
それは直感で感じるものもあるのですが、実際感じ取るものであれば【匂い】です。
…死臭というのでしょうか。
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亡くなる直前の方、亡くなった直後の方からはとても独特な匂いがします。
あれは、私が感じる【死の匂い】だと思っています。
表現しようにもなかなか難しいので、どういった匂いかは言い兼ねるのですが…
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ある日、私がコンビニへ行った時の出来事です。
病院で感じる、あの匂いが私の鼻腔をつきました。
その匂いに店内を見渡します。
すると雑誌コーナーで立ち読みをしていた男性から匂っているのだと分かりました。
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当時、病院で感じる死臭に、これといった自信と確信はなかった私は、コンビニで感じたその匂いも『気のせいだ。』と知らぬふりをしていました。
しかし、その匂いはとても強烈で、早々にコンビニから出ようと、お目当てのタバコを一箱注文し、会計を済ませると、店外へ。
コンビニのすぐ前にある灰皿でタバコをくゆらせていました。
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少しして、先程の匂いを発していた男性がコンビニから出て来ました。
特にそちらを見ることもなく、タバコを消そうと灰皿へ押し付けた時、耳をつんざくような車のクラクション音とブレーキ音。明らかに何かがぶつかったであろう衝撃音がしました。交通事故です。
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道を行き交う人々は足を止め、その状況に唖然としています。叫び声をあげる者も。
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確かめるまでもなく、事故に遭われたのは、先程の男性でした。彼から発せられていたのは紛れもない【死臭】だったのでしょう。死と間近に接する機会が多かった私に身についた特殊な力なのだと実感した体験でした。
作者雪-2
さて、今回は私の中でも不思議能力のひとつである体験談です。
看護師や、介護、医師など、人間の生き死にに関わる職種や環境にいらっしゃる方であれば、少なからず共感して貰える内容なのではないか…と、投稿させて頂きました。
↓4月投稿過去作品↓
【電車にて】怖19
http://kowabana.jp/stories/28533
【手作り】怖14
http://kowabana.jp/stories/28553
↓1月に高評価を頂けた処女作品↓
【やってしまった】怖40
http://kowabana.jp/stories/27969
↓2月月間ランキング3位受理作品↓
【赤ちゃん】 怖40
http://kowabana.jp/stories/28114
↓3月月間ランキング3位受理作品↓
【洞窟探検】 怖37
http://kowabana.jp/stories/28340
お暇の際に、お目汚しになればと思います。
※駄文失礼しました。