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これは、私の友人(以下、みなほ)が体験したお話です。
広島から出て来た彼女は賃貸住宅に一人暮らしをしています。
私の実家と近い事もあり、よく彼女の家に遊びに行っていました。
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彼女の住むアパートは6軒が連なっているタイプで、彼女は202号室に住んでいました。引っ越してきた当初から、隣の201号室から鳴る騒音に悩まされていました。
私も実際にその音を耳にすることがあったのですが、その音は女性の叫び声、物が壊れるような音。私たちは推測で、その女性はDVにあっているのではないかと思っていた程でした。
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しかし、何度か見かけたその女性は、とても愛想のいい女性で、挨拶をすれば、笑顔で返してくれ、連れている子供もとても可愛く、旦那さんと3人で和気藹々と出掛ける様子もよく見受けられました。
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壁の向こうから聞こえる音とは無縁に感じた彼らの幸せそうな様子に、いつしか私たちは『あれは、特殊なAVや。』とお互いに納得し合うようになりました。
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その音が鳴るのは不定期で日中。子供が幼稚園から帰って来る時間に合わせて、ピタッと音が鳴り止みます。『旦那さんが、日中休みの時に観てるんよな。』なんて私たちは悠長な事を言っていたのです。
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みなほが引っ越して来て数か月後。
彼女から深夜、連絡が来ました。
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「雪ちゃん、どうしよう。隣の女の人殺されたって。旦那さんが逮捕された。めっちゃ警察来よる。」
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私はそれを聞いて言葉を失いました。
本当にDVが日常茶飯事で行われていたのか、それは分かりません。
ですが、この凄惨な事件を未然に防ぐことが出来たのではないか。
そんな後悔が、私たちの間に残る出来事でした。
作者雪-2
みのりに引き続き、私のお話の中に今後も登場するであろう女の子(みなほ)が
体験した、後味の悪い作品になります。
※プライバシーの観点もあり、多少の着色をいれています。
↓4月投稿高評価作品↓
【死臭】怖28
http://kowabana.jp/stories/28558
【沖縄】怖33
http://kowabana.jp/stories/28568
【叫び声】怖31
http://kowabana.jp/stories/28591
↓1月に高評価を頂けた処女作品↓
【やってしまった】怖40
http://kowabana.jp/stories/27969
↓2月月間ランキング3位受理作品↓
【赤ちゃん】 怖40
http://kowabana.jp/stories/28114
↓3月月間ランキング3位受理作品↓
【洞窟探検】 怖39
http://kowabana.jp/stories/28340
お暇の際に、お目汚しになればと思います。
※駄文失礼しました。