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私は、生粋のバリバリな関西人ですが、生まれは四国地方です。
今では、もうほとんど帰ることは無くなってしまいましたが、中学生の頃までは毎年夏休みに帰省をしていました。今回は、その時のお話をさせて頂こうかと思います。
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私の住んでいた故郷は、それはそれはドが付く程の田舎で、近くのコンビニに行くにも車で20分はかかり、近所に家は数軒ありましたが、すでに空き家。夜の道は街灯などなく懐中電灯持参、もしくは月明りを頼りに歩かなくてはいけないような魔界でした。ですが、景色は最高で、夏の帰省時には家の前の向日葵畑が満開になり、とても心地よい場所です。
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ある年の夏の事です。
アグレッシブな私は裏山へクワガタ採集へ向かったのですが、夢中になってしまい、下山した頃には、すっかり日も暮れてしまい真っ暗な道をトボトボと一人で歩いていました。慣れた道だったのですが、如何せん真っ暗な道は怖いものです。小走りで家への道を進んでいました。
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すると、背後から足音が聞こえます。
__じゃり、じゃり、じゃり。
私は小走りだったのに、後ろで聞こえるその音はゆっくり歩いてるような音です。
『…怖っ。』
そう思った私は、小走りから本格的な走りへシフトチェンジをしました。
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しかし、足音はやはり後ろから私についてきます。
__じゃり、じゃり、じゃり。
『何で走ってるうちに追いつけんねん。どんな大股やねん。巨人か。』
心中でそうツッコミをいれながら、ようやく見えて来た家の明かりに安心し、走る速度を少し緩めました。と、同時に何故か後ろにいる正体をこの目で見たくなってしまったのです。
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速度を少し緩めたところで、勢いよく振り向いたその時、視界に飛び込んできたのは男性でした。
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驚くほどに細く、背が高く、そのくせアンバランスに大きな目。スーツを纏った血の気の失せたその男性と目が合った瞬間、私は全身に鳥肌が立ちました。そんな私の横を無表情の男性は、手足をピンっと伸ばし、直立のまま物凄いスピードで通り過ぎていったのです。
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今でも、その時のことを思い出すとゾッとします。
皆さまは見たことがありますか?
直立で、猛スピードで通り過ぎる人を。
作者雪-2
連投企画も3日目は久々の実体験です。
果たして、私が見た「彼」は人間だったのか、人外だったのか。
※実体験です。
↓5月投稿作品は以下より↓
【不可解な死】怖24
http://kowabana.jp/stories/28773
【家族】怖15
http://kowabana.jp/stories/28853
【気付かないふり】怖10
http://kowabana.jp/stories/28865
↓1月に高評価を頂けた処女作品↓
【やってしまった】怖44
http://kowabana.jp/stories/27969
↓2月月間ランキング3位受理作品↓
【赤ちゃん】 怖42
http://kowabana.jp/stories/28114
↓3月月間ランキング3位受理作品↓
【洞窟探検】 怖41
http://kowabana.jp/stories/28340
↓4月月間ランキング1位受理作品↓
【叫び声】41
http://kowabana.jp/stories/28591
お暇の際に、お目汚しになればと思います。
※駄文失礼しました。