一行怪談（二行目）

mami様、このような最底辺の地までありがとうございます。

４番は妻にもなぜか一番受けました。
５はちょっと病院にヤボ用があったときに･･･実は自分も胸アツだったのですが、読み返すと超陳腐ですね（笑）
7はまあ（笑）
１にコメントいただけたのは嬉しいですね。何年もひたすら怪異を起こし続け、除霊されても成仏できないってどんなんだろうという思いをはせました

相変わらず調子に乗りすぎちゃいました。
反省･･･はできないのですが（笑）

ラグト様、このようなカオスな場所までコメントありがとうございます。
３番ですか？お目が高すぎです。大きな展開なんてそんな･･･そんなものは･･････

つんつんされて怒りの表情を浮かべる女史。
いきなりくってかかってくるかと思えば、

「･･･責任、とってもらいます」

よく見ると、彼女の目にはうっすらと光るものがあった。
そう、彼女はかつて少女時代に近所のオヤジに危ない目にあわされそうになったことがあり、それ以来男が近寄ることさえ許せなかったのだ。
しかし今、主人公に触られてしまったことで、女として約３０年にわたり抑え込まれていた女性としての本能が、かすかに目覚めようとしていた。

戸惑いながらも食事を奢らされる主人公。奮発して高級中華へ、そしてビール、紹興酒を煽る女史。
悪酔いする彼女をなんとか家に帰そうとするが、「まだまだこんなものでは私の胸に触った罪には釣り合わない」と頑として拒否される。
止むを得ず休憩する場所を探す主人公。それを見て取った店長のⓂが紹介したのは、洒落たラブホテルだった。

「そんなつもりじゃないのに」

部屋に通されてからラブホテルであることに気付き、苦笑する主人公に、女史はそっとメガネをはずし、

「ねえ、･･････したい？」

メガネを取った彼女は、普段の堅苦しい印象とは程遠く、まるで少女のようなあどけなさと、一途さを合わせ持っていた。
その晩、二人は見えない国境ラインを超えたのだった。

女史が女性としての本能を開花させた夜、それは同時に主人公の「男」が目覚めた瞬間でもあった。
それまでのらくらと毎日のノルマをやりすごすだけの人生だった主人公だが、この日以来、彼は目的を高く持ち、日々の業務を精力的にこなし、常に周囲にも気を配る、意識が高い男へと変貌していった。
彼が関わるプロジェクトは成功し、取引先、リーダーからの信頼も厚く、クライアントからも徐々に指名が入るようになっていった。
そしていつの日か、彼も女史と家庭を築きたいという意識が、少しずつ芽生えていったのだった。

順風満帆に見える主人公、しかし彼の成長を快く思わないものもいた。
かつて、エレベーターに主人公と一緒に乗り込んだ、同僚である。
この男は常に要領よく、無駄な力を使わないで、責任はうまくかわし、他人の成功を自分のものにすることで出世街道を歩いていた。
しかし今では、明らかに周囲の信頼や期待は主人公に傾いている。
大きなプロジェクトから外され、主人公に持っていかれることもしばしばだ。面白くあろうはずもなかった。

（なんとかしてこの男を止めなければ）

そう思う同僚が目を付けたのは、女史だった。
彼は姦計をめぐらし、かつて、女史にセクハラの疑惑をかけられ、冷や飯を食わされている社員たちを扇動し、女史を訴えると会社に直訴した。

慌ててその動きを止めようとする主人公。しかしそれは、主人公と女史の関係を公にすることを意味していた。

「無論、それは構わない。私は彼女とけじめをつける」
と宣言する主人公。
彼はかねてから用意していた結婚指輪を女史にプレゼントした。
主人公は女史と結婚し、関係を公にする覚悟を決めていた。

しかし、女史はその指輪を涙を流しながら拒否をする。
自分と一緒になっては主人公は会社を敵に回す。会社を混乱させた張本人を妻として迎える主人公を、会社は決して快くは思わない。
そして事実、上司は主人公を体よく左遷させようという動きを見せ始めた。

そんな会社の態度に失望し、会社を去る決意をする主人公、しかし女史の心は揺れる。

「私のせいであなたの人生を台無しにしてしまった。私はあなたの近くにいる資格が無い」

そう訴える女史。しかし主人公は

「違う、君だ。君こそが今の自分を作ってくれたんだ。君がいなければ僕はずっとダラダラと、その日その日をやり過ごすことだけを考えて生きてきただろう。これからもずっとそばにいてほしい」

そういって女史を引き留めようとする。
そんな主人公の言葉を振り切って、外に逃げ出す女史。
そこに、件の同僚が待っていた。

「話がある、主人公の事だ」

と、ホテルのバーに女史を誘い出す。

「あんたにその気があるなら、あんたを訴えると息巻いている奴らと話をつけて、訴えを取り下げさせてもいい。
まあ、会社も面倒な訴訟沙汰ことなんか望んでいない。冷や飯食ってる奴らに適当なポストを与えりゃ、奴らも矛を収めるだろうし、会社もそれぐらいはOKだすさ。その方が楽だからな。
なんならそこまでの道筋は俺がつけてやってもいい。
ただし、あんたにその気があるならだ。
ええ？ビジネスはギブアンドテイクだ。俺にそこまでさせるんだ。当然それ相応のものは払ってもらうぜ」

そういうと、男は舌で唇を湿し、肉食動物が獲物を見定めるように女史に視線を向けた。

「聞くとあんた、メガネを取ると、ちょっと雰囲気変わるらしいじゃないか。ええ？俺にも見せてほしいもんだな、あんたの、す・が・お。
俺だってまんざらじゃないってこと、教えてやるぜえ」

下卑た笑顔を浮かべると、男はルームキーを机の上に置いた。

「ま、俺はどっちでもいいさ。あくまで決めるのはあんたの意思だ。俺はこの部屋にいる。その気になったら来なよ」

男は女史に顔を近づけると、臭い息を吐きかけながら耳元に

「メガネは外してだぜエ」

そういって、へらへら笑いながらバーを去った。
女史はしばらく手を固く結んだままその場を動かなかった。

（彼が私にしてくれたこと）

様々な思い出が女史の脳裏をかすめる

（私が彼にしてあげられること）

そう、今彼女が決断すれば、元の日常が戻るのだ。
例えそれが表面上のものであったとしても･･････

彼女は大きく息をつくと、そっとメガネに指をかけたのだった･･･

そんな展開は全っっっく考えていません！！

DODO Asakura様、ありがとうございます。
私も昔、ハードカバー読んだんですが、長ぇと思った事しか覚えてません(笑)
マックを食べていて、包に書いてあるロゴを見て思いつきました(笑)