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以前に紹介した私の可愛いキットカットの後輩【みのり】から、再びLINEが届きました。
≪雪さん、今日〇〇リーダーに背後霊憑いてるって言われたんです。≫
このリーダーさんは霊感がかなりある人で、その病院では有名でした。
≪マジでか。≫
≪怖いんですけど、身に覚えあるんですよね…≫
≪ほう…?≫
≪聞いてくれますか?≫
≪良いよ。キットカットは要らんから。先に言っとくけど。≫
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___。。。
当時、みのりは華の高校生。
彼女は高校卒業と同時に就職した子なので、時系列的には2年ほど前の出来事だったようです。
自転車通学だった彼女は、家から15分ほどの距離を通学していました。
いつものように自転車に跨り、颯爽と学校へ向かっていた道中、急に自転車の荷台に重みを感じたそうです。不思議に思い、振り返るも何もいない。ですが、その後の道のりは漕ぐペダルをとても重く感じ、まるで自転車の二人乗りをしているような感覚があったのだとか。
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そんな違和感のある感覚を持ったまま、学校へ到着した彼女は、朝の出来事を友人に話しました。すると友人からこんな話を聞いたそうです。
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「昨日の夜に、あの道で事故があったんやって。詳しくは分からんけど、死人も出たらしいで。」
その話に怖がりの彼女は半狂乱。
その日は早退という形で、家へ帰ることにしました。
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帰り道でも、自転車の重みは朝と変わらず、終始『怖い。怖い。怖い。』と感じながら家路へ急いでいた最中、見つけたのは道路の片隅に備えられていたお花とお菓子。
彼女はフルスピードで家へ帰り、それから卒業まではバス通学にしたんだとか。
____。。。
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≪多分、あの時の事故で無くなった霊が後ろに憑いてるんだと思うんです。≫
≪成程ね。リーダーはその霊の事なんて言ってたん?≫
≪詳しくは分からないみたいなんですけど、でもその一件があってからなんですよ。私が、霊の気配を感じたりとか、声を聞いたりとか、そういった類に敏感になったのって。≫
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霊に触れば、霊に障られる。
彼女は、その体験から、今まで全くリンクしなかったモノとのリンクを繋いでしまったのでしょう。
これが不幸なのか、それとも幸なのか…
物心ついた時から、割と近くに存在を感じていた私には、後天的に霊に関わってしまった経験者がどういった感情を抱くのか、理解の範疇を超えています。
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ですが、優しい私の後輩は、毎年その道路脇に花を添えているそうです。
見たことも、関わったこともない、自分に憑いているのが、この事故で亡くなった方なのかさえも分からないけれど、【霊】という非日常に触れた彼女は、そう云った魂を敬う大切さを学んだのではないか…なんて、私は偉そうに見解してみるのでした。
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≪そう言えば、雪さんってキットカット好きなんですか?≫
≪うちは、甘いものやったら何でも好きや。≫
≪意外ですよね!!雪さんってそう云う女子っぽいもの苦手かと思ってましたよ!!可愛い一面もあるんですね♬今度、甘いもの買って、遊びに行きますね♬≫
((この野郎…馬鹿にしやがって…仮にも先輩やぞ。ここはバシッと言ったろやないか。))
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≪うちは、バウムクーヘンが大好物です。≫
作者雪-2
今日は前回投稿した【710号】で登場したみのりちゃんです。
前回のみのり登場のお話は、リンクで貼ります。
お時間ある方はお読み頂ければと思います。
↓みのり初登場の作品です↓
【710号】怖27
http://kowabana.jp/stories/28283
↓1月に高評価を頂けた処女作品↓
【やってしまった】怖40
http://kowabana.jp/stories/27969
↓2月月間ランキング3位受理作品↓
【赤ちゃん】 怖40
http://kowabana.jp/stories/28114
↓3月投稿した作品より高評価を頂いたものを抜粋↓
【洞窟探検】 怖36
http://kowabana.jp/stories/28340
【髪の毛】怖29
http://kowabana.jp/stories/28363
☆3/17~3連休に際しまして、連投企画実施中です。
↓昨日のお話は以下よりお読み頂けます↓
【身障トイレ】怖19
http://kowabana.jp/stories/28440
お暇の際に、お目汚しになればと思います。
※駄文失礼しました。