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これは私の友人のお兄さん(以後、彼)が体験した話です。
彼は写真を撮るのが趣味で、よく色々な場所へ写真を撮りに行っていたそうです。
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ある県に有名な自殺の名所とされる崖があるのですが、そこは、写真家にとっても割と人気の撮影スポットで、沈んでいく夕日がとても綺麗に写る。そんな話を耳にした彼は、愛用の一眼レフを片手にその崖へ向かったそうです。
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崖の上からの写真を数十枚撮った後、崖全体と夕日のコラボ写真を撮りたいと、少し離れた場所からのシャッターチャンスを狙っていた時のこと。
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一人の女性が、今にも投身自殺を行う現場に偶然立ち会う形になってしまったそうです。止めに行けるような距離でもなく、声を出しても届かない。そんな時にお兄さんがとった行動は、投身自殺の瞬間をカメラに収めることだったようで、望遠レンズで連写機能を使い、その瞬間の撮影を生唾を飲みつつ待ち構えていると、ついにその女性が崖から海へ身を投げました。
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彼は夢中でシャッターを切りました。その後、しばらく放心状態だったらしいのですが、ハッと我に返り、警察へ通報。事の一部始終を説明。すると警察は、捜索の手掛かりになるかもしれない。と彼に撮影した写真の提出を要求しました。それに対しすんなりと了承した彼は、すぐさま家に戻り、PCへデータの読み込みをした後、写真の中身を確認することなくプリントアウトし警察へ提出しに行ったそうです。警察より、「一緒に確認して欲しい。」と言われ、その時初めて撮影した写真を見ることになりました。
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崖から飛び降りた女性が、連写で映っています。
何枚目かの写真を目にした時、彼を含め、その写真に目を通していた警察官から小さな悲鳴が上がりました。飛び込んだ女性が写った写真の中で1枚だけ、カメラをしっかりと凝視している写真があったそうです。
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その後、その写真がどうなったのかは、彼も知らないそうです。
ただひとつ言えることは、もう二度と写真を趣味に出来なくなってしまった。と…
作者雪-2
私が聞いた中でも、割とゾッとしたお話です。
似たお話があるので、知っている方もいるかもしれませんが…
こういった話って、割とあるんですね。
リアルで聞くのは初めてでしたが、人間って不思議な生き物です。
↓4月投稿高評価作品↓
【死臭】怖28
http://kowabana.jp/stories/28558
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【洞窟探検】 怖39
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お暇の際に、お目汚しになればと思います。
※駄文失礼しました。