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その日、私は酷い風邪を引き、仕事を休んで朝からベッドに横たわっていました。
熱は39℃を超え、普段低体温の私は、『もうこのまま死ぬんじゃね?』なんて思いながら、熱い身体に反して起こる壮絶な寒気に苦しんでいました。
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ヘビースモーカーな私も、流石にこの時はベッドから起き上がれず、かといって寝タバコはプライドに反する。ニコチン切れでイライラも重なり、眠ることも出来ず、痛む節々を緩和させようとベッドの上で頻回に寝返りをうっていた時、部屋のクローゼットに違和感を感じました。いつもキチンと閉めているクローゼットが少し開いていたのです。
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変なところで几帳面な私は、重い身体を起こし、クローゼットを閉めました。
その時クローゼットの隙間に女性が見えた気もしたのですが、如何せんしんどさがピークだったので軽率に無視を決め込み、再びベッドへ。
しかし、先程閉めたハズのクローゼットがまた開いています。
『勘弁してくれ…今日は止めてくれ…』
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そう思いつつ、開いたクローゼットを凝視すると、やはり女性の顔がそこにありました。顔だけが浮かんでいるように見え、血の気の失せたその顔で何かを呟いています。聞き取れないほどの小さな声でした。口の動きからも何を言っているのか読み取ることは出来ず、熱に浮かされていた私は、布団を頭まで被り、狸寝入りを決め込むことにしました。
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女性の顔は見えなくなりましたが、だんだんと大きくなるその声。やはり何を言っているかまでは聞き取れませんが、その声を煩わしく感じた私はイヤホンを耳に装着し、音楽を流し、気を逸らしました。
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そんなこんなとをしているうちに、いつの間にか私は眠っていたようで、窓に目をやると既に外は真っ暗でした。薄っすらと月明りで見える室内。クローゼットはいつも通り、ぴったりと閉まっています。
『夢やったんかな。寧ろ、無視して正解やったんかな。まあええわ。』
そう思いつつ、装着したイヤホンを外した時…
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「ああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!無視するな無視するな無視するな無視するな無視するな無視するなあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
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霊を安易にあしらってはいけないと痛感した出来事でした。
作者雪-2
こんな小噺をひとつ。
※実体験です。
先日、獲得怖が1000を突破いたしました!!
ありがとうございます!!
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【電車にて】怖21
http://kowabana.jp/stories/28533
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お暇の際に、お目汚しになればと思います。
※駄文失礼しました。