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以前お話しさせて貰ったバンドメンバーのヒトコワもこれで3作品目となります。
今回ご紹介するのはうちのギターを担当していたシンの片割れ、タクミのお話です。
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その日は、ライブで東京へ遠征していました。
夜行バスで出発し、帰りは少し観光してから新幹線で帰って来ようと云う事で、プチ旅行気分に浮足立っていました。
シンの一件から2か月ほどしか経っていなかったので、シンの為の気分転換旅行になれば良いと企画したものでしたが、まさかあんな事になるとは誰も予想していませんでした。
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東京でのライブも好調で幕を下ろし、合同ライブだったので、他のバンドメンバーと打ち上げをするべく、都内某所のBarを貸し切りにし、飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎをしていました。
ドンドン運び込まれる料理とお酒を堪能しながら、深夜を回ってもその宴は続きました。
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午前3時を回った頃、幹事の1人がお開きのコールをかけ、参加していたキャスト達は次々とお店を後にします。私たちは、まだ騒ぎ足りない。とカラオケ店へ足を向かわせていました。
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その時、ある女性(少女?)が私たちに声を掛けました。
「あのっ…!!〇〇(バンド名)の方々ですよね!?私、九州から観に来ました!大阪のライブも見に言った事あります!」
何と嬉しい事でしょうか。
九州からわざわざ本州に渡って、私たちのライブを観に来てくれているとは。
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しかし、申し訳ないことに、その子の顔に覚えがなく謝罪交じりに感謝の言葉を告げました。
「これ、あの、受け取って下さい!」
そう言って渡されたのはA4程の大きさの可愛くラッピングされた箱でした。
どうやら、その子はタクミのファンらしく、私たちにくれた贈り物とは別に、先程のものよりも一回り小さな、これまた可愛くラッピングされた箱を彼に渡しました。
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『ありがとう。愛してるよ。』
そう言って、その子を思い切りハグしたチャラ男。禿げれば良い。爆ぜれば良い。
喚起にさめざめと泣く彼女に手を振って、私たちはその場を離れました。
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カラオケに着いて早々にプレゼントを開封することになりました。
メンバーのみんなへ。と送られた箱の中には、メンバーの顔をアニメ調にしたフェルト生地のマスコットが入っていました。
「すげえ。ハイクオリティ。」
「これ、次からのライブで付けようや!ほなあの子等も喜ぶで!」
「…コレ、俺似てへんやん。」
『アキラそっくりやで、この剃り込みの感じとか、怒り眉とか。』
「タクミがもろたやつも開けてや!」
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その声をきっかけにタクミが個人的に貰った箱を開封します。
ピンクと赤で綺麗に縛られたリボンを解き、包んである紙を捲った時、タクミの手が止まりました。
「どないしたん?」
『…んー、何かコレ開けたくないかも。』
「何でやねん、はよ開け、はよはよ。」
『いや、コレ開けん方が良い気がする。』
「ほな俺が開けるー♬」
そう言って箱を取り上げたのは、シンとベース担当のリョウでした。
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開けた瞬間、2人の顔が真っ青になりました。
「っわ!!」
手から落ちた箱の中に入っていたのは、子猫の死体でした。腐乱はしていないものの、箱の中や子猫に付着していた血は黒く変色していましたから、絶命してから時間は経っているように思いました。
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誰も何も言えないまま、その現場に唖然とするばかりです。
箱の中に入っていたメッセージカードにはこう書かれていました。
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≪タクミ、大好きです。大好きなタクミに、私の大好きなものを送ります。
〇〇(恐らく子猫の名前)です。可愛がってあげて下さい♡≫
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考えた末、その子猫は東京にある動物霊園で引き取って貰うことになりました。
行く末は見ていませんが、ちゃんと火葬してもらい、納骨して貰ったと信じるしかありません。
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私たちが出会ったあの女性をライブ会場で見かけることは何度かありました。
そこまでメジャー的に有名では無かったので、出禁などの措置まで追い付かなかったのが悔やまれます。それでも、彼がバンドを抜けずに続けてくれたことに、今でも感謝しています。
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人間の愛情は、時として理解しがたい行動を取らせてしまうようです。
タクミはそれ以来、猫に対して、また女性に対して、過度の恐怖心を覚えるようになりしました。
バンドが解散して2年程経ちますが、その傷は癒えぬままです。
作者雪-2
一度投稿したのにも関わらず、何故か消えてしまった。
怖い…凄く怖い…
怖ポチ下さった方々様…
申し訳ありません!!!
お手数ですが、再評価の程よろしくお願いします…!
今日は、久々のヒトコワ投稿です。
連休からの、連投企画も今日が最後ですね!!
昨日は、拙い創作作品をお読みいただきましてありがとうございました(土下座)
まだまだ精進致しまするぅ…
って事で!!
私のバンド時代の体験談も3作品目となりました。
このまま進めば、後2つで5人全員のヒトコワ体験談をお話しできるかな…?
前回の投稿作品は下記より閲覧可能です。
お時間、お暇な際には是非読んでみて下さいね( ^^) _旦~~
【ファン】怖23
http://kowabana.jp/stories/28230
【ファン②】怖32
http://kowabana.jp/stories/28299
☆☆3/17~3連休に際しまして、連投企画実施中です☆☆
↓昨日以前のお話は以下よりお読み頂けます↓
【身障トイレ】怖24
http://kowabana.jp/stories/28440
【きっかけ】怖20
http://kowabana.jp/stories/28446
【おねえちゃん】12
http://kowabana.jp/stories/28452
↓1月に高評価を頂けた処女作品↓
【やってしまった】怖40
http://kowabana.jp/stories/27969
↓2月月間ランキング3位受理作品↓
【赤ちゃん】 怖40
http://kowabana.jp/stories/28114
↓3月投稿した作品より高評価を頂いたものを抜粋↓
【洞窟探検】 怖36
http://kowabana.jp/stories/28340
【髪の毛】怖29
http://kowabana.jp/stories/28363
お暇の際に、お目汚しになればと思います。
※駄文失礼しました。