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百物語【第六十三〜六十五話】

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百物語【第六十三〜六十五話】

皆さまのお話、とても怖く感服致します。これほど怖いお話が続く中このタイミングで、私の話などをお話させていただいていいものかとも思いますが、折角ですので皆さましばしお付き合いください。

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第六十三話

【夢】

これは私の母の話なんですが、私の母は子供の頃劇団に所属していて、その頃ある有名女優さんと会ったことがあるらしいのです。

その女優さんは数年前に亡くなられてしまったのですが、母はその女優さんが亡くなる少し前に彼女の夢を見たらしいのです。

実を言うと私もその女優さんが亡くなる少し前に不意に彼女のことを思い出し、あの人ってまだ生きてたかな?って思ったんです。そうしたら、彼女が亡くなったというニュースが放送されて、こういう虫の知らせみたいなことって実際にあるんですね。

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第六十四話

【煙羅煙羅】

皆さん煙羅煙羅っていう妖怪知ってますか?

煙の中に顔が見えたりする煙の妖怪と言われているんですけど、私はこの妖怪の正体は火葬された人の魂なんじゃないかと思うんです。

なぜかって?

それは私が小学生くらいの頃なんですけど、夏休みに祖父母の家に行った時のことです。祖父母の家の近くには古い様式の火葬場があるんですが、私が行った時にたまたまお葬式があったらしく火葬場の煙突から煙が出てたんです。私はその煙をぼーっと眺めていました、すると煙がだんだん人の形に見えてきました。それだけならただの気のせいで終わるんですけど、その人型の煙は手を振りだしたんです。その時は不思議くらいにしか感じなかったんですが、煙羅煙羅のことを知ってからは、あの時の煙は煙羅煙羅で、煙羅煙羅は火葬された人の魂なんじゃないかって考えるようになりました。

第六十五話

【ロッジ】

これは私が所属している大学のサークルの合宿での出来事です。

私が所属しているのは音楽系のサークルなので合宿先のロッジにはスタジオがあるんですが、そのスタジオの一つに不気味というか悪い気が溜まってるというか、そんなところがありました。そのスタジオは狭くて少し気味がわるいので誰も使いたがらないのですが、私たちのバンドは曲の完成度が壊滅的だったので深夜にそこで練習してたんです。そしたら突然「バンバン!」と外から窓を叩かれたんです。窓の外はすぐ崖のようになっていて人が立てるような場所もなく、誰もいるはずがないのに…。私たちはもう練習どころではなく、楽器も置いて逃げ出しました。

その崖の下から白骨化した遺体が発見されたのは、私たちが合宿から帰ってすぐのことでした。

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虫の報せはあると思います。今年の話ですが、いつもは起きない時間にパッチリと目が覚めました。

携帯には母親からの着信が。その夜は親戚の通夜でした。翌週にはなんと亡くなった方の兄が急死しました。不幸は続くものですね。

三話共、短くまとまっていて流石だなと唸ってしまいました!…ひひ…

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